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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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同級生との交流-6

 バスは営業所から運転手のおじさんが出てきて乗り込むとすぐに発車した。乗客はわたしたちとお年寄りが3人。使い古して音声がよれよれの案内テープを車内に流しながらバスは走っていく。

 お年寄りは、割合すぐにバスを降りていき、わたしたちだけを乗せてバスは走っていく。

 「いつもこんな感じなの? このバス」
 「そうだね。だいたいこんな感じ」

 『木之内口』という停留所に着き、わたしは定期券を見せ、京子は料金どおりの小銭を料金箱に入れてバスを降りる。雑貨屋はここしばらく開いていない。京子は道路の反対側のバス停の標識に向かい、貼られた時刻表を覗き込み腕時計を見ている。

 「帰りは17時47分。今から2時間ちょっとあるね。やっぱりいいね、こっちの方は。自然がいっぱいで。さて…。どこかいい場所ある?」
 わたしは自転車を押して八幡さまに向かう。ちょっと離れて京子もついてくる。

 「この神社? なんかいいね。ここまで徒歩で6分ね」

 自転車を押したまま鳥居をくぐり参道を進む。社殿の裏側に回り込み自転車をとめる。自転車が人目につかないように…。

 「ここは向こうの土手から見えるんよ。だから、もうちょっとあっちに…」
 「ふうん。なんか詳しいんだね(笑)」

 手ごろな場所を見つける。二人とも草むらの上にお弁当を包んでいた布巾を広げて腰を下ろす。八幡さまでの2時間はあっという間に過ぎた。

 「はい。いま17時30分」

 昼休みのときと同じように、不意に京子が唇を離して赤い革のバンドの腕時計を見ながら告げる。昼休みと違うのは、二人とも修学旅行の夜のように下着を激しく濡らしていることだろうか…。草むらから身を起こして身支度を整え始める京子を見て、わたしも慌てて後に続く。毛づくろいをする猿のように、お互いの制服についた草の小片を取る。

 バス停には時間通りにバスが来た。声を出すでもなく、ただ手を軽く振って京子がバスに乗り込む。わたしはバスが走り去っていくのを見送る。わたしは京子の指の余韻を股間に感じながら自転車を漕いでいく。

 家に着くと母が夕食の支度をしている。

 「今日はいつもより遅かったの」
 「ちょっとね。…お弁当美味しかったよ」
 「毎度かわり映えせんで済まないね。明日は玉子焼き入れたるわ」
 「えっ? 誰かにもらったの?」
 「ようわかったな。工場でムツ子さんに貰うての、なんでわかったんや?」

 どこかで養鶏場を営んでいる男の人から…などではなかった。

 「ううん…ただなんとなくね。ムツ子さん家、鶏でも飼ってたかね…」

 いつもすべてを見透かしているような母ではあるけれど、妙な誤解をしていないことを祈りながら弁当箱を渡す。

 (わたし、○子姉ちゃんみたいに、農機具小屋で誰かと逢ってたわけじゃないから…)

 わたしは部屋に上がり制服から着替える。スカートの裏地も確認した。下着も替えた。穿いていた下着はお風呂のときに洗おう…。

 「さ、ごはんにしようか」

 母から声がかかる。

 『男と付き合うんやったらちゃんと言いなさいよ』などと言われなくてよかったと思いながら、食事に箸をつける。

 翌日、教室に着くと京子が手招きする。近寄ると、スカートの裾を少し上げてふくらはぎを見せる。虫にかまれたような痕が赤くついている。

 「アンタは大丈夫だった?」
 「大丈夫だったけど…」
 「場所は慎重に考えないといかんね…」
 「そうだね。ごめんね」
 「いや、別にそんなつもりで言ったんじゃないよ。やっぱり、寒い日でも雨の日でも逢いたいときってあると思うから」

 真由美の家が『モーテル』を建てたら行ってしまうかもしれない…。


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