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「短編集『O嬢の館』の女たち」
【SM 官能小説】

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第一話 『人妻・有佳(M451)のビアンの夢』-2

(2)
 わたしのような人妻が『O嬢の館』のようないかがわしいマッチングの風俗店にどうして出入りするようになったのか……高校時代からの一番の親友で、恋人以上の関係だった島田梨々子が悪いんです。

 わたしが銀行マンの夫と結婚して二年、夫との夜の生活のつまらなさの不満をちょっと洩らしたのがキッカケでした。

「これを観てよ」
 梨々子がスマホのSNSの映像を見せてくれたのです。

 狭いカプセルのような部屋に、胴体が真っ二つに切り取られたような女性の猥らな上半身だけが映っていました。わたしと同じ24、5歳くらいのスリムな女性は、ニットのセーターを捲り上げて綺麗なバストを露わにしていたんです。

左手は壁に取り付けられた黒革の手枷で拘束され、右手に持った禍々しい色のディルドを口に咥えて貪りながら、狂ったような喘ぎ声を噴き上げていたんです。

 波打っている上半身の動きから、隔壁に隠れて映っていない女性の下半身が誰かに弄ばれていることが容易に想像出来ました。

「これね、『M216』って会員番号の美女だけど、学校の教師よ。自分で撮影した映像をSNSにアップしたらしいわ……自分の好きな時に見ず知らずの男性とエッチの出来る、こんなサイトがあるの」

 女教師は自分の下半身を犯している男性の顔も素性も全く分からないんだそうです。合意のうえでの痴漢のようなものです。あるいは、壁を隔てた相互オナニーみたいなものでしょうか。

「有佳なら、きっと気に入るわよ」
 梨々子は妖しい目を輝かせて、昂奮の色を隠せないわたしを見詰めていたんです。

『あああっ、いいわっ……オマンコ、もっと突いてっ。オマンコ、突き破ってっ』
 蕩けるような声で哭き叫ぶ女教師の映像から、わたしは目が離せなかったんです。

 ぶっといディルドを口から吐き出し、右手も自分で手枷の輪に通して、両腕を羽根のように広げ、上半身を弓のようにのけぞらせて硬直させていたのです。

 その女教師のあられもない絶頂の凄まじさが、わたしの下腹部を直撃していました。

 教師とはとても思えない猥らな狂態です。
『オマンコ、イクーッ。オマンコがいいのっ。オマンコ、イカせてっ』
こんなあさましい言葉を何度も叫びつづけながら、狂ったような目をカメラに向けていたんです。

「梨々子……やだぁ。こんなエッチなの」
 わたしは生唾をゴクッと吞み込んで、梨々子にスマホを押し返していました。

「うふっ。相変わらず、有佳はカマトトぶるのね」
 梨々子はわたしのことはすべてお見通しなんです。夫なんかより、ずっとわたしのことを理解してくれているんです。



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