2人の部屋で-1
・・・別れよう・・・
突然だった 何時もの様に仕事から 和也が帰って来て
綾は 食事をテーブルに並べ
お箸を 両手で持って 頂きますと礼をした時 和也が呟いて来た
何で 思わず和也の顔を見てしまった
何か このままずるずるした 生活 良いのかな 思い始めたら
考えちゃって 御免一度家に帰る 俺の荷物は捨てて呉れる
大学2年の時 4年生だった和也とサークルで知り合って 付き合い始めて
5年目 一緒に暮らし始めて1年このまま結婚するんだろうなと 漫然と思って
居た中での言葉に 綾は言葉を失っていた
・・・何で・・何故・・なんで・・・ 涙が浮かんでくる
・・・私が嫌いになったの 飽きたの・・なんで・・・ 言葉を投げつけても
和也は 下を向いたまま 綾を見ようともしなかった
・・・ゴメン・・・・ 出した食事に手を付けず和也はワンルームの部屋を出て行ってしまった
・・・何よ・・・嘘だよね・・・嘘だ・よ・ね・
2人で狭いねと言っていた ワンルームが荒れ果てた荒野の様に寒々と 綾を包んでいた