第一章 不条理なプロローグ(画像付)-4
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『なぁ、いいだろう?そろそろ・・・』
映見の機嫌を伺う表情は、まるで少年のようだった。
『だって・・・』
『大丈夫だって・・・。頼むよぉ』
妻の不安をかき消そうと、強い口調で懇願する。
『映見だって・・・
凄くノリノリだったじゃん・・・』
『・・・・』
うつむく映見に苛立ちながらも、執拗に説得を続ける裕太には確信があった。
妻がセックスの快感に目覚めたことが、これからの二人の人生を大きく変えることを。
夫婦生活は2年目なのに、倦怠期を迎えていた。
年齢は若いとはいえ、大学からの付き合いは7年以上になる。
ミス・キャンパスに選ばれたこともある映見は、今でもアイドルのようで美しい。
それでも、長い恋人時代と清いセックスを好む性格は、若い男にとって退屈を感じるものだった。
(それが、あの日から・・・)
バックをしめる音がパチンと鳴った。
改めて覗く鏡に、あの時のシーンが浮かび上がる。