スナイパードール-7
「わかりました」案内人は、私を客と一緒に部屋へ入れました。
私は部屋の隅で小さくなって待ちました。≪何かおかしい≫
私がうろついていても、案内人は何とも思っていませんでした。
客が嬉しそうに、飛びついてきます。
私は重い体を引きずるように逃げました。
「生きのいい女だ。俺好みだ」
こんな事に付き合っていられません。客を惑わせてやります。それは催眠術の強力なやつに似ています。
―――震えながら壁際で震えます。
それから助けてと懇願します。ちょっと怖がる乙女のふりをしてやると、惑わされているとも知らずに客は喜びます。
枕にしがみつくのを離れて見ていてもいいのですが、見張りに覗かれてはいけないので、すぐ横に寝て、様子を見ました。
そして聞かれてもいいように声をあげておきます。
やるうちに、だんだん慣れてきました。
相手の反応が面白くてやめられません。
体を奪われ、泣き叫びながら処女奪われます。≪こういう物語には必須です≫
それから卑猥な声を上げて、させてあげるから逃がしてと懇願します。
客は「助けてやるぞ」と言って抱きます。
そして最後に私は裏切られます。
私の隣で、レイプ魔は私を無理やりに抱く夢を見ていました。
「どうだ、いいだろ」下卑た笑いをします。
私は、自分でさわって喘ぎ声を出します。自慰をする男に合わせて、声だけを出すのは無理です。
「こんどはうしろにいれてやる」
≪はいはい≫ 私は自分のアナルに指を入れます。
「お願いやめて。痛いよう」聞かれたときのために声を出します。こいつは油ぎった体で、触られるのも嫌でした。 ≪勝手にやってなさい≫ ―――
私は違和感にはっとします。≪私がそんなところに指を入れるわけないじゃない≫ 両手を見ます。それでも、おしりには大きな異物が入っていました。
「うう。すげえ締まる」客は抜き差しをやめません。
そんなところに入れられたことはありませんでした。
「やめて」逃げようとします。
客は後ろから覆いかぶさっています。
震えながら「ゆるして」
客は気持ちよさに腰をゆすります。
激しく動かして、「いいぞ」叫びます。
私は男をどかせようとします。
「まだだよ、お嬢ちゃん」
≪これはなに、夢じゃない。 待って、どっちが現実なの。まどわしてるの、惑わされてるの≫
目が回りそうです。
≪私はどうなっているんだろう。実際はこの男にされ続けていたんじゃないの≫
見ても触ってもわかりません。そう思っているだけかもしれません。
≪駄目。魔法の罠にはまっている≫
見当識の喪失、これは恐ろしいものです。現実を見失うとどこまでも迷ってしまいます。
≪やめろ。今、不都合がないなら、不都合が見つかるまでは、まずはこれを受け入れるしかない。しっかり見ろ。しっかり見るんだ≫
今の現実には不都合さより、さらに手痛い現実味がありました。
≪この城はこうやって女達を従わせてきたんだ≫
ここのみんなも、もっと過激に傷つけられている人も、自分の身に起こっていることが理解できていないのかもしれません 。
コーディネーターが言うように、自由に行動していると思っているのです。
だから廊下にいても、何も言わなかったのです。
動揺したまま、客のすきにされました。