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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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一人になった夜-1

 春になって2年生に進級しました。

 中学3年生だった下の姉は卒業して家を出ました。
 所属していたソフトボール部が、地域の大会で結構上位に進出していたので、ある高校から授業料を半額に減らすという条件で声がかかったのです。
 その高校は、家から通えないところにあったので、姉は学生寮に入ることになりました。
 台所の壁には「☆☆(△)が決勝打 ◆◆中 地区大会を制す」と姉の名前が入った見出しを付けた新聞記事が切り抜かれて画鋲でとめてあります。

 「おねえちゃん、おめでとう。学校で聞いたで、優勝やってね。お前のねえちゃんがええとこで打ちよった、って先生が言いよったよ」
 「ありがと。バットを振ったらボールが当たってええとこに飛んでったんよ」
 「そんな言い方、なんだか△子ねえちゃんらしくないね」
 「主将はいつでも控えめにしとらんといかんのよ。それより、おかあちゃん、見てえな。ゴロ取り損ねて太腿に当たって痛い痛い」

 スカートをいきなりまくると、紫色のアザを見せました。
 
 そんな姉と一緒に使っていた部屋も、この春から、わたしが一人で使うことになりました。姉の机などはそのまま置いてありますが、今までは布団を並べて寝ていたので、夜になると部屋が広々と感じられます。

 寮に入る前の日、姉が部屋を片付けながら荷物をまとめています。寮は4人部屋で、全員1年生だそうです。

 「△子ねえちゃんの部屋の人たちはみんなソフトボール部なんかね」
 「さあなあ。どの運動部もそこそこ強いみたいだから、いろんな部の子がおるんやないかな」
 「高校に上がっても部活部活でたいへんやね」
 「成績が足りないのに下駄をはかせてもらって、おまけに学費もオマケしてもらうんやから、せいぜい精進しますわ」
 「新聞の切り抜き、持ってったら?」
 「そんなん、自慢しいみたいで、一発で嫌われるわ」

 翌朝、父が知り合いに頼んで借りてきた軽トラックで、荷物と一緒に寮に向かって出ていきました。

 「次はいつ帰ってくるん?」
 「さあねえ。お父ちゃんとお母ちゃん、よろしく頼んだわよ」

 夕方になって父が戻ってきました。今日から食卓を囲むのは、父と母とわたしの3人です。

 「寮はどんな感じだったん?」
 「紡績工場の寮だったんを買い取って改造したんやと。まあまあ見た目は新しうなっとったけどな」
 「同じ部屋の子にはあったん?」
 「うちが一番乗りで部屋にはまあだ誰もおらんかったわ」
 「先生もおらんかったの?」
 「寮母っていうのかの、オバサンがおったわ」
 「姉ちゃん、寂しがってた?」
 「そんなことはないやろ。帰るとき、寮の外まで見送りには来たが、車を走らせたらさっさと中に入りよってからに」
 「あの子らしいな。○子だったら見えんようになるまでは見送っとるやろけどな」。


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