倦怠期??解消作戦〜AV〜-2
「あ。。。ちょっと麻由!!」
普段あまり聞かない啓太の大きな声に、驚いて体が小さく跳ねた。
「それ、借りたものだって今言ったよね」
静かな声ながらも怒っているのが伝わる。
「それにさ。。。
借りるのちょっと恥ずかしかったんだよ。
アイツ、なんかおもしろがってるし」
そう言うと立ち上がって、ケースを拾った。
「なのに、いきなり怒り出して見たくないとか言うし、
人の物投げるし。
わけわかんないよ」
ため息をついて、少し離れたベッドに腰掛ける啓太。
思いがけない展開に沸騰したアタマも一気に冷めた。
(どうしよう…
そんなつもりじゃなかったのに…)
「だって……私…」
下を向いたまましゃべり出すと涙がポロポロと落ちてきた。
「心配だったの…」
泣いてる私に気づいた啓太は、
びっくりしてどうしたらいいか戸惑っている。
私はふいに立ち上がり、啓太の足元に座り込む。
「麻由。。。。
一体どうしたの?」
そう言って、私の手を握る。
いつもの優しい声。
心配そうに私を見つめる瞳。
温かい大きな手。
さっきまでの自分の行動が急に恥ずかしくなって、
全て話す決心をする。
「…あのね。
私たち付き合いも長くて、最近は何するにも初めてのことなんかなくて。
…このままだと、
もしかしたら啓太が私に飽きちゃったりする日が来るのかなって」
啓太との毎日が幸せ過ぎて、ひとりで考え過ぎて。
理由のない不安に飲み込まれてしまったみたい。
「へ?
なにそれ…。
オレが不安になるようなことした?」
「そうじゃなくて…ほら、さっきだって。ビデオに夢中だったし」
「夢中っていうか、そりゃ見るでしょ
アレは」
「うん、そうだよね…。
ビデオだって、たまには気分を変えようと思って言い出したことだったんだけど、何か…
逆に不安になっちゃって…
………
ってこれじゃバカみたいだね。私」
涙はもう止まって、少し笑えてくる。
(ホントにバカみたい)
クスクス笑い出した私を見て安心したのか、啓太にも笑顔が戻る。