投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最初へ Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 343 Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 345 Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最後へ

混沌とした世界(後編)-12

シャンリーは、転生者で預言者の才能を持つヘレーネの存在に気づいていない。リヒター伯爵は王族へつながる血統であり、護りの者と考えて眠りの呪いで殺すために呪物の人骨の欠片を使ったが、これがヘレーネの守護獣の子猫のレチェに喰われて破られた影響で、フェルベーク伯爵と親衛隊の隊長だった同性愛の恋人たちに排斥されて処刑される凶運に襲われた。リヒター伯爵への呪いが破られているのにも気づいていない。即死させるような呪術ではないので、リヒター伯爵はやがて死ぬと考えていた。
呪いが破られているとシャンリーが気づいても、子爵リーフェンシュタールや祓魔師の才能を持つ剣士カルヴィーノが、ヘレーネとリヒター伯爵のそばにいる。
ベルツ伯爵のそばには、ストラウク伯爵やテスティーノ伯爵が鍛え上げた武芸者ザイフェルトと巫女の才能に覚醒しつつあるフリーデの夫妻がいる。シャンリーが暗殺に向かっても、執政官ギレスのようにたやすくベルツ伯爵は殺害できないだろう。
ブラウエル伯爵は、ジャクリーヌ婦人が再婚したので、伯爵は実は商人から盗賊団の首領になったロイドとなっており、ロイドやジャクリーヌ婦人、ブラウエル伯爵や後継者になる資格がある伴侶の子爵ヨハンネスをシャンリーが殺害したとしても、ザイフェルトの妻となっているフリーデはブラウエル伯爵の腹違いの娘であり、武芸者ザイフェルトが伯爵領を継ぐ伯爵となりえる。シャンリーは、護りの者となる伯爵が誰なのか、隠蔽されている裏事情を知らないため、簡単にはわからないだろう。
さらに、ロンダール伯爵とゴーディエ男爵がブラウエル伯爵やジャクリーヌ婦人と今後について協議するために、ブラウエル伯爵領へ向かっている。
シャンリーがブラウエル伯爵を暗殺しようとすれば、ロンダール伯爵と対決することになるだろう。
また、シャンリーは小貴族の美少女エステルを養子として後継者にしたことで、女伯爵の地位となっている。シャンリー自身が、蛇神のしもべの影響を受けている教祖ヴァルハザードと、どちらが支配者として君臨するかという意味で対立していることをを知らない。彼女は震災の時に、ストラウク伯爵領にいて桜の大樹に守られて生き残った。
蛇神の贄であれば、ストラウク伯爵領に出現した魔獣のカエル人と同じようにシャンリーは、ハンターのレナードに討ち取られていただろう。

何人もの運命の選択の結果によって、大きな運命の流れが変わりつつある。
シャンリーは、辺境地帯の森に異界の門を開き、女神ラーナの化身である僧侶リーナを蛇神ナーガの淫獄へと導いたともいえる。
しかし、そうしたことで僧侶リーナは、辺境地帯では獣人族のアルテリスと、ゼルキス王国では聖騎士ミレイユや参謀官マルティナ、ダンジョンでは賢者マキシミリアンやエルフ族のセレスティーヌ、商人と職人の街ルヒャンではドワーフ族の細工師ロエルと弟子のセスト、エルフの王国から世界樹の力で異界ではニアキス丘陵のオークやガルドの母親ルーシーなど、多くの者たちと出会うことになったのである。
シャンリーが存在せず、傭兵ガルドに辺境の村の焼き討ちを依頼しなければ、蛇神ナーガと女神ラーナの世界の支配をめぐる異変は、ゼルキス王国やターレン王国ではない大陸の別の地域で起きていただろう。
また、もっとあとの時代の僧侶リーナではない者が、女神ラーナの化身であることを知らず、蛇神ナーガの花嫁として狙われていたかもしれない。


檜垣隆史が帰ってしまうと、エロマンガ家のメイプルシロップこと緒川翠は、仕事場のマンションの部屋で、頬杖をついてため息をついた。

(はぁ〜っ、どうして私、ずっと隆史さんのことを、こんなにさみしくなるぐらい、大好きなんだろう?)

気分を変えようと緒川翠は、仕事に取りかかることにした。
彼女は原案者として携帯ゲームの製作に参加している。
聖戦シャングリ・ラというオンラインゲームで、携帯ゲームとしても、パソコンからでも遊べる18禁ゲーム。彼女の恋人の檜垣隆史は、ゲーム好きである。
小太りで優しい顔立ちの檜垣隆史に似せて、ロンダール伯爵のキャラクターイラストを描いた。
檜垣隆史は絶倫で、緒川翠以外にたくさんの愛人がいる。最近は自分が卒業した学園の女子高生とも仲か良いらしい。
「僕の可愛い妹たち」のイメージは、その女子高生たちである。
他の男性キャラクターにも、緒川翠は隆史の絶倫な部分を採用した。
いろいろなトラブルに首を突っ込みがちな人で、ふらりと来て緒川翠とセックスしたあとに、マンガのネタにする気かとぼやきながら、聞けば緒川翠の想像以上の体験談を隆史は話してくれる。
檜垣隆史自身も常識を越えた資産家で、富士の樹海の中に邸宅を持っていて美人と美少女の愛人の3人で暮らしている。
緒川翠との出会いは夏場に深夜のマンガ喫茶で隆史にレイプされたのがきっかけで、緒川翠はレズビアンだった。
隆史以外の男性とは、今もつきあったことがない。
隆史とつきあったおかげで、レズビアンのマンガ以外も描くことができるようになり、それなりに稼いで暮らせている。
好きな内容のレズビアンの恋愛エロマンガだけしか描かなかったら、とっくに廃業させられていた。
隆史のつきあっている愛人たちの職業は銀座の高級クラブの店長と副店長、元公安の女探偵、宗教団体の幹部、元アイドルの声優、女子大生、女性整形外科医など、いろいろな職業の愛人がいる。
緒川翠は好きなマンガを一生描いていられて、可愛い女の恋人がいれば、なお言うことなし……のはずだった。
檜垣隆史に身も心も蕩けるようなセックスを教えこまれて、他人が聞いたらこの恋愛事情は地獄絵図だと言うかもしれないが、緒川翠は大好きな隆史とセックスしている時が最高に幸せなのだった。
ひたすらよがりながら、快感に身をゆだねていく。絶頂に息もうまくできない状態になるほど、頭の芯まで痺れきってしまう。自分がどれだけ愚かで淫らな女というケダモノなのかを思い知らされる。


Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最初へ Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 343 Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 345 Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前