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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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王都奇譚-3

舞踏会で他人に自分の名前を明かすことは、恥知らずな行為とされていた。
名前を明かせば、それは家柄を相手に自慢したり、宮廷官僚としての立場を利用して相手に敬われたいと望んでいる卑しい行為とみなされる。
シャンリーは舞踏会では必ず黒色でありながら華やかな印象の背や胸元の開いたドレスを身にまとい、妖艶な微笑を美貌に浮かべていた。そして薔薇の香りの香水をつけていた。黒薔薇婦人と呼ばれていたのは、ランベール王の側でいる様子から後宮の愛妾だと察することができるからであった。
それぞれ女性たちは特徴となる指輪やネックレスなどの装飾品で身を飾り、ドレスも特注品である。ただし、踊り子の扇情的な衣装よりは、肌の露出はひかえめなドレスである。香水の香りもそれぞれ同じにならないように女性たちは気を配るが、たまにあえて男性たちに憧れられる美人と、同じ香水の香りをつけることもある。
舞踏会に招かれるのは、王都に邸宅を持つことの許された貴族たちである。小貴族は舞踏会に招かれない。
舞踏会のあと、男性の馬車に女性が同乗するのは、そのまま男性の邸宅へ招かれて泊まるのに同意したとみなされる。
後宮暮らしの君主の愛妾たちは馬車で連れ帰るどころか、王宮から出すことや街へ連れ出すことも許されない。
舞踏会は、庶民から見たら豪華な宴に見えるだろう。だが、貴族たちにとっては顔合わせの場にすぎない。
連れ帰って肌を合わせたあと、ベッドで交わされる噂話などや恋のやり取りこそが、舞踏会の醍醐味である。
既婚者、未婚者であれ関係なく、情人として親密な関係を持つようになる。
派閥がちがう宮廷官僚であれ、その官僚の妻や娘と情を交わす関係であれば、政務でも譲歩したりすることはあった。
舞踏会の人間関係を把握することは、政務を行う上でも重要な事であった。
ルーク男爵は、子爵ヨハンネスが王都の宮廷に身を置いていれば、政敵の派閥の身内の情人とされかねないと警戒した。軍部独裁の政治体制を打ち立て実権を握るためには、圧倒的な兵力があれば何も問題はない。舞踏会の人間関係を利用する必要はないと、ルーク男爵は考えていた。利用するということは、相手にも見返りとして利用されることになる。
ジャクリーヌ婦人の考えは、子爵ヨハンネスの容姿の良さに興味本位だけで近いてきた女性たちと積極的に関係を結ぶことで、ブラウエル伯爵の代わりに宮廷議会で影響力を持つ立場の人物に育て上げようというものだった。そのためには見た目だけてなく、淫らな女性たちを満足させるための気力と精力が必要である。
情人たちとの人間関係を使って議会で強い立場を確立した人物に、宮廷議会の重鎮モルガン男爵がいた。
ブラウエル伯爵自身は君臨して側近に指示を与え、側近はその指示を実行するための根回しをする。それが側近の役割だとジャクリーヌ婦人は考えていた。
ジャクリーヌ婦人の誤算はブラウエル伯爵が男色家で、美少年のヨハンネスに目をつけていたことである。そして、ジャクリーヌ婦人がヨハンネスを情人たちとの関係を作るために、淫らな女性たちを孕ませずに満足させるための手管を仕込もうとするほど、ヨハンネスは女性不信に陥り、ブラウエル伯爵の狙い通りに男色の道へ誘われていく。
ロイドがヨハンネスに出会わなければ、ブラウエル伯爵への恋心を抱いたヨハンネスは、ジャクリーヌ婦人の期待と恋心の板挟みになり、ヨハンネスに恋をして同情したメイドのミーナと心中自殺することになっていた。
ロイドは、ジャクリーヌ婦人の肛門を使う交わりを貴族の女性たちの性癖と思い込んでいたが、ジャクリーヌ婦人がブラウエル伯爵しか孕まずに多くの貴族たちを手なずけられたのは、この性癖を使って交わってきたからであった。
ブラウエル伯爵は、女性ではなく男性の肛門を犯す性癖となってしまった。ジャクリーヌ婦人は、ブラウエル伯爵に自分の肛門を犯させた。

「ブラウエル、私には貴方しかいないのよ。私が貴方に悦びを教えてあげる」

舞踏会に来ている貴族の中には、男色家や、同性と異性のどちらも好む女性などもいた。同性しか愛せない性癖の貴族の女性は舞踏会へ行くのを好まず、邸宅でお気に入りのメイドと、仲睦まじく過ごしていた。
ジャクリーヌ婦人のように、伴侶と別の邸宅で暮らしている貴族女性も多い。婚姻で重視されるのは血筋や身分である。婚姻して夫は妻の邸宅へ通う。子が生まれると、子は妻の邸宅で育てられることが多かった。子が生まれる前よりも、子を溺愛して夫が通ってくるのが増えることなどもあった。
婚姻すると、低い身分の者が伴侶の身分と同格になる。結果として身分を引き上げることができる。
たとえば騎士ガルドが男爵令嬢のソフィアと婚姻すると、騎士ガルドの爵位はソフィアの身分と同格の男爵となる。
婚姻と実際の恋愛は別物という常識を貴族たちは持っていた。
たとえば邸宅のメイドと貴族の男性が恋愛の末に結婚するのは、周囲から非難された。婚姻は身分や財産を守るためにする大切な政略であり、メイドと主人が結婚しても意味がないというのである。
貴族たちは伴侶への愛情を示すために、伴侶の親族や夫などに協力したり、資金援助したりしていた。
また舞踏会で同じ情人と出会い関係を持つ男性たちが連帯感を感じて、政務上で協力し合うことなどもあった。
ジャクリーヌ婦人は母親で、同時に息子の情人になろうとした。
王都トルネリカの王宮の舞踏会は貴族たちの出会いの場で、娯楽でもあった。だが、情人と交わり子を孕むことを避けるために、手や口でお互いの股間を愛撫し合うことや、逸物を淫核に擦りつけ、牝の花の中に挿入せずに挟むようにする素股などで交わるのであった。胸や尻の谷間や内腿に香油を塗って、逸物を挟む愛撫も行われていた。
ジャクリーヌ婦人のように肛門で逸物を受け入れられるように、拡張されている女性は多くない。肛門は舐めたり、指先で悪ふざけで、小さなすぼまりを上からほぐすぐらいである。挿入しない。


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