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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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リーフェンシュタールの結婚(前編)-9

傾国の美女リィーレリアと、ヘレーネと容姿が似たまだ美少女のアリーダとの交わりの記憶は美しく淫らだった。

(こんな儀式をされたら、次に生まれてくるときは女の肉体でなんて生まれたくもなくなるわ)

ローザは、媚薬の香が立ち込める儀式の大広間で群がる信者の男性たちと口と肛門で交わり、白濁の精液まみれになりながら妖しく微笑みを浮かべていた。
股間の上には呪符が貼りつけられ、処女の純潔を維持しながら、何十人もの信者たちを射精させる。
ローザ以外にも3人ほど同じように股間に呪符を貼りつけられている贄の巫女が凌辱されている姿が視えた。
呪符の上から勃起したものを擦りつけられている。愛蜜が呪符に滲んでいるが、破られてはいない。
次々と射精を終えた男が媚薬の香で興奮している男と交代して、贄の巫女を快感で苛み続けていた。
自分が誰なのか、なぜ交わっているのかも贄の巫女たちは考えられなくなり、ひたすら愛撫や犯されている刺激にあえぎ声を上げ続け、心を蝕まれていく。

(自分が男性の肉体に生まれて膣は犯されなくても、射精して巫女の心を蝕む道具にされている男性に、心がボロボロにされるまで欲情されて、お口やお尻を使われて犯されたのを、つらいから今は、自分で記憶を封じ込めていても、反射的に嫌悪感を感じるのね。自分の逸物が勃つのもこわいはず。この記憶を解放して耐えきって克服すれば、恐怖はなくなるかもしれないけど、繊細な心が耐えきれるかどうか。手をそっと握られたり、抱擁されたり、軽くキスされても怯えないのは、凌辱されて男性から優しく愛撫されたかったということね。シモンとは、キスまでは交わしていたのね、きっと。心が壊れきったところで、お腹を刃物で切り裂かれた。蛇神の贄の儀式……悪趣味だわ。感応力はあるけど、この恐怖を克服しないと力が覚醒されない)

自分の前世の記憶をリーフェンシュタールに強引に流し込んで、本人の封じ込めているローザの記憶をのぞいたヘレーネは、カルヴィーノが男色家だとしても、リーフェンシュタールの恋は成就しないと確信した。
前世からの運命に引き離された恋人たちが、どちらも男性に生まれ変わってしまっても、恋をして愛しあうのは素敵だとヘレーネは思った。
しかし、生まれ変わってさえも結ばれないように、心に罠を仕掛けるようなやり方に、蛇神の神官たちの悪意を感じた。ローザがシモンに恋をしていたように、他の3人の贄の巫女たちも、それぞれ慕っている相手がいるのを知った上で、凌辱して快感に屈服させているのだろう。
ローザが犯されながら、シモンの名を口にしながら涙を流していた。他の贄の巫女たちも恋人なのか片思いの相手なのかわからないが、名前を口にしているところに、咥えさせられたりしていた。
贄の巫女たちに、強い思念や感情を起こさせるためとはいえ、こんな心を切り裂くような儀式を思いつき実行した悪趣味な神官たちを、シモンが命がけでも殺そうと決意したのは復讐ではなく、むしろ害虫駆除のような気持ちだったのかもしれないとヘレーネは思った。

「……タール様……目を覚まさないと、またキスをしますよ、起きて下さい」
「うぅ………ひどいめまいがする」
「まだ立ち上がってはいけません。そのまま、目を閉じたまま、息を整えて」
「美しい女性とヘレーネに似た少女が……あれは君が、まぼろしを見せたのか?」
「お静かに。詳しいことはリーフェンシュタール様が気分が落ち着いたら、いくらでも聞かせて差し上げます」

リーフェンシュタールは、ヘレーネの肩をかりてふらつきながら廊下を歩き、自分の寝室のベッドに身を横たえると、すぅすぅと寝息を立てながら、眠り込んでしまった。
ヘレーネが封じ込められた前世の記憶を視たので、封じ込められた記憶がよみがえらないように、眠ることでリーフェンシュタールは無意識に防御しているのである。今は、夢をみないで眠っている。とても穏やかな寝顔である。

応接間でヘレーネがリーフェンシュタールの名前を呼んで一度、目を覚まさせたのは、急に前世の記憶がよみがえった場合、自分がリーフェンシュタールであることを忘れ、ローザなのだと思い込み、過去の記憶の夢をみたまま、昏睡して死んでしまうのを防ぐためである。

廊下で見かけた館で働くメイドに、リーフェンシュタールが眠っていることを伝えて、リヒター伯爵の寝室の場所を聞くと、メイドはヘレーネとレチェを部屋の前まで案内してくれた。

「あの、子爵様も伯爵様のように……」
「リーフェンシュタール様は、お疲れなだけのようです」
「伯爵様をよろしくお願いします」

メイドはホッとした表情を浮かべ、ヘレーネに頭を下げた。

(あのメイドさん、伯爵様のお気に入りみたいね。子爵様も伯爵様を少しだけ見習って、子爵カルヴィーノ以外の人にも興味を持てるようになるといいけど)

リヒター伯爵の寝室へ扉を静かに閉めてヘレーネは室内を見渡した。

(それらしい怪しいものはなし、と)

部屋の中に悪夢を呼び込む呪物などはないことを確認した。ヘレーネは広めの寝台で眠っているリヒター伯爵の寝顔をのぞき込んだ。こちらはリーフェンシュタールの寝顔とはちがい、少し苦しげな表情で、呼吸も荒い。

「レチェ、あの人のお腹の上に乗っかって。絶対に顔の上はダメ」

レチェが寝台の上に飛び乗り、リヒター伯爵の腹部の上のあたりで体を丸めて眠る姿勢になった。ヘレーネは寝台のそばに立ち、ゆっくりと目を閉じた。

「お目覚めになられましたか、伯爵様」

レチェが起き出し、リヒター伯爵の胸の上を歩いていく。レチェはリヒター伯爵の顔をのぞきこむと、小さな舌で鼻先を舐めた。

「この声は……私はまだ、夢をみているのか?」
「いいえ、伯爵様の邸宅の寝室ですよ」

リヒター伯爵の痩せた手がゆっくりと上がり、レチェの背中を撫でた。

「ふむ、よい手ざわりだ」
「にゃうっ」


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