HAPPY LIFEB-1
4月20日(月)
あの日から1週間が経ちました。夕里は気持ちの整理が少しずつできてきたみたいで、いつものカワイイ笑顔が戻ってきました。今日から部活が始まるのですごく楽しみです。
「…さん、橘さん!」
なによ…うるさいなぁ。邪魔しないでよ。
「明日香、明日香ってば!起きて!」
…んっ!?なに?あっ、えっ!!
「すいせんっ!!」
やっちゃったぁ…。これはやばいよね。
「橘さん。新しい生活で疲れているのはわかりますが、授業中に寝るのはよくありませんね。今回は大目にみますが、十分に気をつけてください」
「はい…すいませんでした」
職員室から出て廊下を歩いていると、後ろから誰かが話しかけて来る。
「明日香ちゃん?明日香ちゃんだよね?」
振り返ってみると、見覚えのある懐かしい顔が。
「関口先輩?なんでここに?」
眠気と驚きで頭がよく回らない私に向かって手を振ってくるのは、私の1学年上の中学の時の先輩で、私の憧れの人でもある。
「なんでって、俺ここの学生だもん」
「えぇ!!ウソ、知らなかった」
ずっと憧れてた人でもあるけど手の届かない存在のような人で、今こんな風に話しているのが夢みたい。
「っていうか、どうして私の名前知ってるんですか?」
ふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「どうしてって、明日香ちゃんちっちゃくて面白くてかわいい子だって有名だったよ?」
ちっちゃくて面白いまでは分かるけど、かわいいって…そんなの言われたことないし!!しかもあの関口先輩に言われるなんてうれしすぎだよ。
「顔赤いよ?熱でもあるんじゃない?」
「全然平気です。それじゃ、失礼します!!」
恥ずかしくなって、教室まで猛ダッシュ。
「ハァ、ハァ…」
運動が苦手な私は、ちょっと走っただけなのにもうバテバテ。
「どうしたの、明日香?」
早絵が笑いながら私を見ている。
「先輩にあったの!しかも話しかけられた!あの先輩に!!」
「はぁ?」
あきれたような顔をしている早絵に一部始終を話した。話しているうちに息が整ってくる。
「憧れの先輩ねぇ…。なんか明日香らしいよ」
「その先輩のことスキなの?」
隣りで話を聞いていた夕里はそんなことを聞いてきた。
「スキ…ではないと思う。憧れてただけだし、それに、私には雲の上のような人だし。相手にされないよ」
「そう?」
「うん」
授業中、先生の話なんか耳に入らなかった。頭で考えられるのは関口先輩のことばっかり。先輩が卒業してもう二度と会うことはないと思ってたから、まさかこんなところで会えるなんて思わなかった。それに私のことかわいいなんて…もう先輩のバカ!!そんなこと言わないでよ、気になってしょうがないじゃん。…。ん?もしかして、これって、先輩のことスキっていうことなのかな?
最後の授業の終わりを知らせるベルが鳴った。みんなガタガタとイスを鳴らしながら帰りの支度をしている。
「明日香、部活行こ!!」
そうだ、今日から部活だった。
「うん!!」