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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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妖国記-3

アルテリスからの宿泊費を払うという提案に、執事のベルガーが深いため息をついた。貴族が人を招いておいて、客に宿泊費を払わせたなど聞いたことがない。

「あたいは歳上でもかまわない。伯爵様の人を見下すことがない考えかたや、あたいの体つきを見ても、そわそわしないで落ち着いているところとか、嫌いじゃないからね」

アルテリスは、かつて遠い平原の国では戦に敗れた国の獣人族が捕獲されて、奴隷として売買されていた歴史があったことをテスティーノ伯爵に聞かせた。

獣人族と人間族は淫らな交わりを持っても孕むことがない。
だから、主人の肉欲を処理する役目で高額で買われる獣人族の奴隷は、人間族の奴隷よりも、ずっと高い値段で取引されたと言った。価値でいえば、獣人族のほうが高い。

だめだ、今なら踏み止まれると、テスティーノ伯爵の頭の片隅で心の声が囁く。
だが、アルテリスは、テスティーノ伯爵にとって、あまりに魅力的すぎる女性だった。

「……わかった。アルテリス、客を招いておいて金を巻き上げたと噂になると困るから、君に恩返しをしてもらうわけじゃないってことは、わかって欲しい」

それを聞いたアルテリスは、椅子に座ったテスティーノ伯爵に抱きつき、頬にチュッとキスをした。アルテリスの少し照れくさそうな表情に、テスティーノ伯爵は、どきっとした。

「では、旦那様、交渉成立ですな。アルテリスさん、お連れのかたのお泊まりになる客室に案内いたします」

白髪の紳士の執事ベルガーは、テスティーノ伯爵とアルテリスに声をかけて、にっこりと笑った。

明かりの消された客室では、狼頭の仮面をかぶったレナードが、すうすうと穏やかな寝息を立て眠っている。ベッドのまわりでは羽の生えた小人の幼女の姿の亡霊たちがふわふわと漂っている。
伯爵邸の客室で、かつてピクシーと呼ばれていた小妖精となった村娘たちの亡霊たちは、警戒して監視の必要がないため、久しぶりにゆったりとくつろいだ夜を過ごしていた。

すらりとしなやかな脚、無駄な弛みのない腰のくびれ。その後ろでふさふさとした尻尾が揺れている。
形の良い胸の双乳は大きく、艶かしい。柔肌は白く、つんと上向きの乳首は鮮やかな薄紅色。テスティーノ伯爵はアルテリスの全裸姿に見惚れながらも、手をのばしてそっと柔肌にふれた。
熱をおびた吐息。上目づかいでテスティーノ伯爵を見つめるアルテリスは、艶っぽい表情を浮かべている。
テスティーノ伯爵は脇から寄せるようにしながら、波打つように揺れるたわわな美乳のたっぷりとした量感を、手のひら全体でやんわりと揉みながら堪能した。

「……すごいな、これは」
「え、あ、なにが?」
「柔らかいのに、張りがあって、手になじんでいく感じがする」
「んあっ……伯爵様、あたいの胸の肉がつきすぎてるの、気にならないのかい?」
「とても綺麗だ。それに気持ちがいい」
「ふふっ、そうかい。伯爵様があたいの体を気に入ってくれたみたいで、なんか安心したかも。ねぇ……もう少し強く揉んでも大丈夫だ。伯爵様、あたいと交尾しておくれよ」

アルテリスのしなやかな手に、股間の勃起したものを撫でられて、背筋にぞくっと快感が這い上がる。テスティーノ伯爵は、アルテリスが息子と変わらない歳の差があることも、国の身分階級からも外されている旅人であることも、獣人族であることも、全部受け入れた上で、愛しいと思った。

「はぅぅっ……あぁっ……ん、あ、熱いのがあたいの中に、入って……は、ふ……んあぁっ……伯爵様、ふうぅっ……あぁっ!」

ベッドの上で這いつくばったアルテリスのふさふさとしたとした尻尾が、突くたびに腹や胸のあたりで揺れる。肌や乳首を撫でられているような快感が、牝の穴の中で搾り取るように締めつけてくる快感に加えられてくる。そして、アルテリスのあえぎ声が、耳から胸の奥を甘く痺れさせてくる。

「くっ、アルテリス、もう……」
「んあぁっ、伯爵様、いいっ、好きな時にあたいの中に……んああぁっ!!」

アルテリスの腰のくびれをつかみ、根元まで深く沈めて、テスティーノ伯爵は思いっきり膣内にぶちまけて身を震わせていた。テスティーノ伯爵は、自分が想像していた以上の快感に襲われていた。それは獣人娘のアルテリスも同様だった。

アルテリスはうつ伏せになったまま、絶頂のあとの陶酔にくったりとあられもない姿で、目を閉じて何度も小刻みに身を震わせて息が上がっている。テスティーノ伯爵も、アルテリスの背中にかぶさるように抱きついたまま、やはり陶酔して息が上がっている。

獣人娘のアルテリスが、なぜこれほど乱れ、快感に酔いしれてしまったのか。また、テスティーノ伯爵が射精した瞬間、今まで感じたことのない絶頂感に襲われたのか。
それはテスティーノ伯爵の剣技と、旅で僧侶リーナに出会い覚醒したアルテリスの感応力に関係していた。

テスティーノ伯爵の剣技は、聖騎士ミレイユとは異なるものであった。感覚としては手にしている剣も、自分の体のように感じるように念じる。ドワーフ族の細工師ロエルが、素材に触れて魔力を通わせることで錬成するように、手から目には見えない力を通わせる。念の込められた武器による一撃は、通常であれば折れ曲がってしまったり、刃こぼれする岩さえも斬ることを可能にする。
テスティーノ伯爵が、アルテリスの柔肌に手をふれ、また唇を重ねるたびに魔力がアルテリスに流れ込む。射精すると、強い魔力が精液に含まれている。
テスティーノ伯爵は、交わるたびに疲労しやすいともいえる。さらに相手の女性を孕ませるには、相手に合わせて魔力の放出を制御しなければならない。
魔力放出の制御には、自分の感じている快感を心では冷静に観察するため、感情の高揚を放棄する必要があった。
アルテリスはテスティーノ伯爵の放出する魔力を快感として感じ取った。さらに感じ取る時、同調しようとする力が働いている。


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