モルガン男爵-3
モルガン男爵の若い頃は、どんな人物だったのか。モルガンは、王都でローマン王の廷臣に目をつけられ、地方領主たちの穀倉地帯の村などを渡り歩いている若者であった。
ローマン王の廷臣は、ローマン王が若くして即位した頃と、ローマン王が皇子ランベールを後宮で妻妾に産ませて、モルガンが官僚として仕える頃までに一度、派閥が変わっている。
ローマン王が即位した頃には、ランベール王の祖父にあたるニクラウス王の腹心として仕え続けていたヴィンデル男爵という人物がいた。
ニクラウス王が死の間際、ヴィンデル男爵を館に招き、ローマンを私と同じように支えてくれるよう頼んで、7日ほどで亡くなってしまった。ローマン王の即位には、ランベール王の即位の時のような宮廷の権力交代はなかった。
ニクラウスは伯爵であったが、子爵へ領主の地位を譲り、王となった人物で、ヴィンデルの父親が、ニクラウス伯爵領の官使であり、ニクラウスが王に即位すると宮廷官僚となった。
ヴィンデルは、父親の補佐を若い頃からそばで片腕として行っていた。ヴィンデルは父親フランク男爵が亡くなると、そのまま父親の政策と爵位を受け継いで、ヴィンデル男爵となった。
さてローマン王が30歳を過ぎた頃は、後年のように女色にうつつを抜かして、宮廷に政務を任せっきりにしてはいなかった。
それはヴィンデル男爵が、ローマン王を厳しく諌めることができた有能な廷臣だったからである。ローマン王は、皇子の頃より、父王のニクラウスから、ヴィンデル男爵を私の代わりだと思い、意見に耳を傾けるようにと言われ続けていた。
このヴィンデル男爵の孫娘の令嬢は、イルダという美女であった。だが、イルダは自殺してしまう。イルダはある子爵に嫁いだが、一年あまりで夫を亡くしパルタの都の別荘で、もう誰とも結婚しないと誓いを立て、死後に夫の子爵プルークと再会するのを楽しみにしていた。
未亡人は、誰とも再婚せずに人生を全うすれば、死に別れた最愛の夫と死後に再会できるという言い伝えがあった。
青年モルガンは、王都から離れ、地方で遊び歩いていた。3年で見聞を広めて王都へ戻る約束を親のレーゼル男爵と交わしていたので、帰りにパルタの都に立ち寄った。
青年モルガンは、15歳の少女に目をつけて誘惑した。ヴィンデル男爵の孫娘である未亡人イルダに仕える侍女のクラーラである。
モルガンは、自分はいずれ男爵の爵位を親から継ぐからと、クラーラに妻妾にならないかと誘った。
モルガンは、ヴィンデル男爵の別荘に夜這いをかけた。クラーラはモルガンに言われた通り、別荘の裏口の鍵をわざとかけずに寝室で待っていた。
しかしモルガンは、クラーラの寝室ではなく、イルダの寝室に間違って侵入してしまった。
眠っているイルダの美貌や艶かしい体つきにモルガンは欲情してしまった。
「うぅん……えっ、あっ……ひぃっ!」
「やっと目を覚ましたか。目を覚ましたら急に締まりが良くなって、ああ、たまらねぇな」
モルガンが激しく腰を使う。美貌の未亡人のわれめはモルガンの勃起した肉棒が突き込まれるたびに、くちゅ、ぬちゅりと卑猥な湿った音を立てた。
「や、やめなさい、その汚らわしいものを、私の中から抜きなさい」
「ここで止められないよ。あともう一回出させてもらうよ」
「い、嫌っ、中に出さないでっ」
「何を今さら、寝てる間にもう中に出したから、すごくぬるぬるして、今はすごくいい感じなんだよ」
「そ、そんなっ!」
「うっ! はぁはぁはぁ、あ〜、搾り取られてるよ」
イルダをたっぷり犯して、モルガンは別荘から逃亡した。
イルダは、これで死んでも最愛の夫の子爵プルークと再会できなくなってしまったと、父親に遺書の手紙を送り、犯されてから3日後の夜、自刃してしまった。
ヴィンデル男爵は孫娘の死に激怒して、侍女クラーラを責任を取らせるために解雇した。また、パルタの都と王都で、イルダを凌辱した若者を探させた。
モルガンは、パルタの都から、王都には戻らずに、ヴィンデル男爵が亡くなるまで姿をくらましていた。
侍女クラーラから、ヴィンデル男爵が、モルガンについて聞き出していると警戒したからだった。
モルガンは村の地主に、同じ身分の男爵の子の名前を偽名で名乗り、一夜の宿を提供してもらったのに、酒に酔って地主が眠っている隙に、妻や娘をこっそり犯したりしていた。
「はぁ、はぁ、お父さんには内緒だよ。僕が男爵になったら、ネラを必ず迎えに来るからね」
「うれしい、シュレラー様。痛っ、ふぐっ……くぅうぅっ……」
「あんまり大きな声を出したら、みんな起きちゃうじゃないか。できるだけ声を出さないように、我慢して」
破瓜の痛みに耐えて涙ぐんでいる村娘のネラの口を手のひらで塞ぐと、モルガンは激しく腰を動かして、容赦なく孕めとばかりに膣内にぶちまけた。
こうしているうち、ヴィンデル男爵は老いて亡くなった。ヴィンデル男爵の爵位を継ぐ息子や孫はいなかった。イルダとは、いとこにあたるフィオレがいた。ヴィンデル男爵は、宮廷を自分の一族が支配すれば、後で他の貴族を排斥すると警戒していた。
また、フィオレの両親は貴族の爵位を望まず、財産もあてにせず、貴族の権力争いに巻き込まれたり、利用されないように、平民階級として目立たない質素な暮らしをしていた。
ヴィンデル男爵が亡くなった少し後にフィオレは両親は亡くなった。
フィオレは、自分が貴族のヴィンデル男爵の血統だと知らなかった。しかし、その容姿は、美貌の未亡人イルダにとても似ていた。
モルガン男爵は、王都でフィオレを見かけ、自分の館の使用人として雇った。そして、未亡人イルダとの一夜を思い出しながら、フィオレを犯した。
未亡人イルダが感じて、淫らな声を洩らすまでモルガン男爵は犯したのだった。
そして、フィオレが産んだ娘のソフィアまで、養女にすると犯した。