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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ニアキス丘陵の獣人娘-1

「はい、お疲れさん!」

赤髪に狐耳、青葉色の瞳。端正な顔立ちで、勝ち気そうな表情をしている獣人娘である。
すらりと背が高く、双乳はむっちりと艶かしい。ふさふさとした狐の尾尻の下にある尻は、きゅっと弛みのないきれいな丸みがある。
口調は姉御肌の印象が強い。

獣人族の商人アルテリスを相手にしたハンターが、賭けに負けて、魔石2つと大金貨(金貨50枚分の大きめな金貨)を巻き上げられて、アルテリスの幌馬車からとぼとぼと肩を落として立ち去っていった。

(あ〜、物足りないね。俺はすごいから覚悟しとけ、なんて言うから少し期待してたんだけど)

ゼルキス国境地域とダンジョンの中間ぐらいの場所に幌馬車を置いて、この獣人族の娘は、趣味と実益を兼ねる商売を始めた。
これはニアキス丘陵地帯のオークがいなくなった影響といえるかもしれない。

口で1回、中で1回のあと、がんばってあと1回で、合計3回出せるならまし。
アルテリスが思っていたよりも、人間の男性はすぐへばる。

(そのわりに、挑戦したがるから値段を高くしたけど、挑戦者は減らないし、人間って種族はよくわからないなぁ)

アルテリスの野性味がある美貌や色気のせいだとは、気づいてないらしい。

ダンジョンに潜るまでハンターは、命がけなので性欲どころではなく、無事にダンジョンから魔石なり、他のハンターの落とし物を回収して地上に戻ってきて、(これで国に帰ったら女遊びでも)
と、ムラムラしているところで、アルテリスに誘われる。
その結果、もう一度ダンジョンに引き返すハンターもいる。

アルテリスが満足できれば、賭け金は返してタダでいいが、先にべばったら賭け金はアルテリスに献上する。
すごい美人とタダで遊べると、ごきげんで挑戦してくるのだが、結果はアルテリスに惨敗する。

アルテリスに上に乗られて、もう許してくれと降参するか。それとも、へばって使い物にならなくなるか。
噂を聞きつけて、わざわざ探してアルテリスに会いに来る者までいる。

獣人族と人間族が交わっても妊娠する心配かない、というのも人気の原因ではあるのだが。

アルテリスは何人もの男性とは、一緒にはしない。必ず1対1てないとダメという条件をつけた。

以前に、ダンジョンで連携して戦闘する3人組のパーティーとしたところ、先に1人がへばったふりをして、残りふたりに回復の魔法を使った卑怯者がいた。

3人組は、体力は回復するが、勃起力と性欲は回復しないと気がついていなかったらしい。

アルテリスは放っておいたが、潔くないと思った。アルテリスの裏をかいても、賭けに勝てばいいという態度が、気にくわなかった。
本気でやったら、3人は賭け金の5倍以上の金品をアルテリスに上納したので、3倍で許してやった。

「……あの、すいません」

森の中の泉で、ざぶざぶ体を洗い終えて
アルテリスが丘陵地帯までのんびり歩いていると、女僧侶が落ちていた。
脈をみると生きていたので、拾って幌馬車に帰った。
目を覚ました途端、腹を鳴らしていたので素性や事情を聞きながら、一緒に食事をした。

「いいってことよ。それより、ゼルキスまでは、まだまだ遠い。歩いて渡るのは無茶ぶりにもほどがあるよ。僧侶の修行か何かなのか?」

これが女僧侶リーナと獣人娘アルテリスの出会いだった。

アリテリスが食事を終えてから、リーナに焼き討ちされた村やオークを見かけたか聞いた。

「あたいも見かけたよ、ひどいよな。あいつはオークだろ?」

すると錫杖を両手で目の前に立てたリーナが、すっと目を細めた。

「アリテリス、ずいぶん連れて来てしまっていますね」

介抱と食事とおれいに、リーナが霊視してみると、村で凌辱された亡霊が5人ほど、アリテリスにすがりついていた。

リーナに亡霊の女たちは警戒して、にらみつけている。

「あー、なるほど。そういうのもあるんだね。でも、あたいにはまったくわからないんだけど」

まわりを見渡してアリテリスが、首をかしげていた。
リーナもまた亡霊たちの表情に、首をかしげていた。

「ちょっと、彼女たちと話してみます。声で話すわけじゃないんですけどね」

しばらく真剣な表情で錫杖を握り、目を閉じていたリーナが、目を開けると、顔を赤らめて、言いずらそうに上目づかいになっていた。

アルテリスが挑戦してきたハンターたちを、こてんぱんにしているのを亡霊たちが大喜びで、きゃっきゃっとはしゃいでいるのが視えたからだった。

「あたいは、人間の女の幽霊がそばにいても平気だし、むしろやる気が出るっていうか……あっ、あたし、なに言ってるんだろ、う〜ん、どうしてついてきたのかは、ちょっと気になるかな」

リーナは淫らな交わりには処女で経験がなく、そういうことは大好きな人とだけすると憧れているところがある。

処女喪失で、僧侶の力が弱まったり失うこともあると、修行していた神殿で聞いていたせいもある。

亡霊が憑くとはどういうことか説明した上で、なにが問題なのかをアルテリスに話して聞かせた。

「亡霊と同調しやすくなります、それまで気にならなかったことが、とても気になったり、食べ物の好みが変わったり、自分が気がつかないうちに、誘導されて自由が奪われてしまうことがあります。
それに体がなじんでくると、姿が視えてきたり、声が聞こえてきたり、亡霊の生前の記憶や感情が流れこんできて、落ち着かなくなったり、感情が乱されます。亡霊によっては、殺してから憑依した人の記憶や姿などをとりこんで、力をつけようとすることまであります」

アルテリスのそばで、アルテリス以上に動揺した亡霊たちが、たがいに顔を見合せたり、ひそひそ話をしている。

どうやら、亡霊の女性たちは、アルテリスには、迷惑をかける気や、危害を加える気はないようだった。


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