奴隷商人シャンリー-1
酒場で、行商人たちから噂話を聞き出していたのが、どうやらバレたらしい。
娼館に強引に招かれた。
「あなたはトレジャーハンターね。酒場で魔石を受け渡しをしてたでしょう?」
ベッドで寝そべったまま、こちらに気だるそうな口調で話しかけているのは、全裸の妖艶な娼婦だ。
「酒場で魔石を取引しても、何も問題ないはずだ。それとも、酒代を払えないと泣きついたほうがよかったかな?」
手持ちの金が足りなくなったので、しかたなく行商人に魔石を買い取ってもらったのだと言ってみた。
魔石を少し安く売ることで、行商人たちから噂話を聞き出していたとは、さすがに言えない。
「そうね、取引には何も問題はないわ。でも、余計なおしゃべりをされるのは困るのよ」
娼婦がゆっくりと身を起こして、長い黒髪をかき上げた。そして、こちらの顔を微笑を浮かべたまま見つめてきた。
「別にダンジョンのある丘陵地帯に、オークを見なくなったかと、彼ら聞かれたので、答えただけですよ。マダム・シャンリー」
奴隷商人シャンリーは、マダム・シャンリーと呼ばれている。酒場や娼館を手下に運営させている大商人。酒場の女主人などはマダムと呼ばれる。既婚者という意味ではない。
彼女と交際すると、男はなぜか五年以内に死ぬという噂がある。
今はターレン王国に、愛人がいるということだろう。
「その呼ばれかたは、あまり好きではないわ。ところで、あなたは、私に何を聞きたいの?」
部屋の中は、甘い煙のようなものが立ちこめている。頭がぼおっとしてくる。
「ニアキス丘陵で、戦が始まるのかを知りたい」
ゆっくりと彼女から目をそらさずに言った。背中に嫌な汗が流れた。
「なら、服を全部脱いでいらっしゃい。
私を満足させてくれたら、その答えを教えてあげる」
うなずくことしかできない。
行商人たちの知らない情報を、奴隷商人シャンリーは知っている。
「あら、いけない子ね。まだ出してもいいって許可してないのに。お仕置きが必要かしら?」
「……あ、あぁっ」
もう3回は射精しているのに、萎えたりしない。これはおかしい。
シャンリーが頬を舐めてくる。
「あぁっ! ムリっ、我慢、ムリぃぃぃっ!」
「あはっ、中でびゅくびゅくしてるわ」
こんなに意識が弾け飛んだの初めてだ。
息が上がる。体中が熱い。
「出たばっかりなのに、うぁっ!」
上で跨がっているシャンリーの乳房がゆさゆさと揺れている。彼女が手をついている胸板のあたりから、指先で乳首を弄りながら、腰を動かしてくる。
中ですごく締めつけて扱かれる。
パンパンパンパンパン!!
だ、だめだ、もう何も考えられない。
また、イクっ!
射精寸前でシャンリーが、腰の動きをぴたりと止めた。
「そんなに気持ちいいの?」
「は、はひっ」
シャンリーが微笑を浮かべて、また体を揺らし始める。
寸止めされてからの激しい腰のうねりにまた、我慢しきれず、シャンリーの熱い膣の中に、情けない声を上げて、射精してしまい、頭の中が真っ白にされる。
「ふふふ、この続きは、うちで働く女の子たちに可愛がってもらいなさい……ゼルキスの密偵レナード」
気がつくと、シャンリーはいなかった。
ぴちゃぴちゃと左右から二人の娼婦が乳首を舐めしゃぶり、三人目は勃起しっぱなしのものを咥えている。
ちゅぱ、れろっ、ぬぷっ、じゅるるっ。
娼婦の少女の唾液を含んだ口の中に咥えられ、頬の内側や舌で擦られ、吸われてまた、我慢しきれずに達してしまった。
三人の娼婦の少女たちが疲れ果て、おとなしくなっても、まだ勃起していた。
三人の少女の股間からは、搾り取られた白濁したものが溢れ出ていた。
何回射精したのか、もうわからない。
三人の娼婦が、別の三人の娼婦たちと交代したらしい。また交わっている。
何度も意識を失った。
甘い匂いと、娼婦たちの愛撫の感触。
息をして、達していること。
これだけしか考えられなくなった。
目を閉じた。疲れて手足も動かせない。
このまま死んでしまうのだろうか。
それでも、勃起が続いている。
誰かが遠くから、名前を呼んでいる気がした。
また、射精した。
「あっ、またくるっ……は……っ、はぁ……い、イクっ!! んあぁっ!」
何人目の娼婦なのかわからないが、体の上で淫らな声を上げている。
勃起しているものは、また濡れた膣内に挿入されていて、また快感を走らせる。
射精するたびに自分の鼓動を感じる。
まだ、生きている。
唇が重ねられた。
娼婦たちの唾液ではない液体が、口の中に流れ込んできた。
飲んだ。
喉がひどく渇いていたことに、飲んでから気がついた。
「もう勃たなくなったの?」
誰かに話しかけられている。でも、目を開く気力も、返事をする気力も、もう残っていない。
勃起していないものを弄られているうちに、頭の中でも快感が弾けた。
ちゅっ、ちゅっ、と勃起していないものが吸われている。勃起していないのに達して、射精してしまったらしい。
また意識を失った。
「うっ……あっ……」
また快感で意識が引き戻される。睾丸のあたりか鈍く痛む気がした。
もう昼夜の感覚がわからない。
「……リーナ」
意識を失う寸前に喘ぎすぎて、かすれてしまった声で、名前を呼んだ。
また、射精をしているのか、乳首を弄られているだけなのか、もう、よくわからない。
ああ、気持ちいい。
意識を失っている間に、一瞬だけ夢をみた気がする。
栗色でさらさらとした髪。くすくすと鈴を転がしたような笑い声。
誰だろう、ひどくなつかしい気がした。
もう、殺してくれ。
勃起してきた。
夢でみた少女の名は、もう、思い出せない。