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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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姉に似た助手-3

 「あんた、この後なんかある?」
 「いえ、なにもありませんけど」
 「じゃあ、ちょっと顔合わせに食事でもいこうか。フユミもいいよね」

 栗色の髪の女性は冬美という名前のようでした。
 キャンパスから外に出て拾ったタクシーに乗り込みます。

 「じゃあ、桃川町二丁目」

 助手席に乗った冬美が運転手に指示します。わたしは後部座席にのせられて後から千秋が乗り込みます。ふと爽やかな香水の匂いがわたしの鼻をくすぐります。千秋の部屋では感じなかったので、帰宅するときにつける習慣なのでしょうか。わたしは中学校の百合子先生のことを想い出しました。

 通りでタクシーから降りると路地に入っていきます。古びたか前の店の前に来ると先を歩いていた千秋がドアを開けます。

 「いらっしゃーい」

 後について店に入ると少し太めの女性がわたしたちを迎えます。

 「こんちゃ。今日、未成年いるから」
 「了解〜。あら、かわいい」
 「ここママはおかしいけど、料理は美味しいから」
 「料理もママも『美味しい〜』でしょー」
 「だからー…」
 「ごめんなさーい。お宅らの学生さんよね?」

 ママがわたしに話しかけます。

 「お邪魔します…」
 「かわいー」

 「わたしたちは、とりあえずの生ビールだけど、あんたもいけるなら飲む?」
 「いえ…」
 「じゃ、なんか頼んで?」
 「はい…。じゃあ、ジンジャーエールを」
 
 飲み物が運ばれます。

 「とりあえず、乾杯」

 千秋が音頭を取ります。

 「おかわりー!」

 一気に飲み干した冬美がママにジョッキを掲げます。

 「あの…、安西先生と…」
 「あ、名前言ってなかったっけ、加藤冬美。千秋と一緒で○○学部の別の部屋で助手してるの」
 「それでいつも一緒に…」
 「まあ、そんなとこね…。部屋はあの建物にあるからいつでもおいで…なんて言ったら千秋に怒られるか」
 「バカ。何言ってんだか」

 「バカ」という千秋の言葉を聞いて、○子姉が△子姉に言い放つ「バカ」を思い出しました。呆れているようでもあり、冷やかされた恥ずかしさからムキになっているようでもある「バカ」。千秋と冬美の仲のよさがうかがわれます。
 
 「だって、バイトの募集かけるとき『あの子、どうしてんのかな』なんて呟いちゃったりしてさ。そうだったわよね、千秋?」
 「あんまり覚えてないけど…」

 千秋が話題を変えました。

 「どう? 都会暮らしにも慣れた? バイトに応募するぐらいの余裕は出てきたってことか」。
 「はい…なんとか。あの…採用していただけるということですか」
 「アハハ。慎み深いというかなんというか。不採用の子と呑みになんか来ないわよ。あんたが応募に来たから、すぐに募集の貼り紙破ってきたんじゃないの」
 「あ、ありがとうございます」


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