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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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モーテルができたら-3

 中学生の頃と比べれば…ですが、高校生になると性に関する知識も増えてきました。

 お腹の下の方の感覚に促されて自分で性器を愛撫するのを「自慰」、そして「オナニー」と呼ぶことも。休み時間におませな同級生たちが頭を寄せ合ってヒソヒソ話しているのを、聞こえないふりをして耳をそばだてています。

 「部室の裏手に落ちとったんやて」
 「何が?」
 「アレよ」
 「アレじゃわかんないわ」
 「使用済みの…」

 「使用済み」という言葉が出たところで、彼女たちは息をのんでいるようです。近くにいて教科書を読んでいる風のわたしが気になったようですが、(まあ、この子なら、喋っていることの意味もわからないだろう)とでもいうように話を再開しています。

 「生徒かな?」
 「あんたやないの?」
 「バカ言わんといて」
 「ムキになっとる」
 「誰もあんたなんかと思っとらんわ」

 教科書を見ているふりをしながら(あのとき、あの人たちは使っていたのだろうか…)と、中学1年生のときに下の姉と神社の境内で目にした思い出を手繰っています。

 姉が言うのをただ耳で聞いていた「アオカン」という言葉も、漢字では「青姦」と現わすことも知りました。中学3年生だった下の姉がなぜそのような言葉を知っていたのかは、まだ訊いたことがありません。

 わたしが「青姦」という文字を知ったのは、両親の会話からでした。

 「…今日はあいつはもう寝てるんか?」
 「さあ、どうでしょうね」
 「…たまには外でアオカンでもするか? 納屋の中も少しは綺麗にしとかんといかんな」
 「ふふっ、なにビビっとんのよ」
 「別にビビっとらんけど、ホレ、オヤジたちが生きとった頃はようしよったのを思い出してな」
 「ふふっ、ようしたもんじゃな。青空じゃなしに星空にな」
 「場所がないっつうのは切ないもんだったなあ。結局、3人とも青姦で仕込んだかもしれんな。青姦じゃと女が産まれるんかの」
 「あほくさい。まあ、もしそうなら、息子が産まれんかったのは、お義父さんとお義母さんにも責任があるってことやね」

 国語辞典で「姦淫」や「強姦」という言葉は見ていたので、青空という言葉が野外を表して、野外でのセックスという意味合いであることが腑に落ちました。翌朝、国語辞典をめくってみましたが「青姦」という言葉は載っていませんでした。念のため「セイカン」のあたりも探しましたが…。

 今夜も布団に入ってオナニーを始めます。

 中学生の頃は、やみくもに指を動かしていたけれど、最近は、頭の中のイメージの展開に合わせて、指使いを加減して絶頂に達するタイミングを合わせるようになりました。

 「絶頂」などという言葉は、家の物置に積んである古雑誌から見つけました。「女性○○」とか「週刊○○」といった雑誌に載っている連載小説を読むのが最近のひそかな楽しみなのです。
 なので「絶倒に達する」ときを表す言葉が「イク」であることも、しっかり分かっているんです。古雑誌は、薪風呂の焚き付けにと、母が行きつけの美容院からもらってきたものでしたが、燃料を石油に変えたので、使い道がないまま物置に積んでいるのでした。

 おませな同級生たちの会話を思い出します。「使用済み」のコンドームを捨てたのは誰なのでしょう。「先生」であっても男であり女であることを、わたしは神社で「青姦」する百合子たちから学びました。でも、高校の敷地の中でそんなことをする先生がいるとも思えませんから、おそらくは生徒なのでしょう。あの優しい○子ねえちゃんでさえ、高校からの帰宅途中に農機具小屋でセックスしていたのですから。

 (○子ねえちゃんが農機具小屋でセックスしていたのは、ねえちゃんが高校3年生のときだったけど、わたしにも高校生のうちにそんなことが起きるんやろか…)

 そんなことを考えながら、指を動かしていきます。

 (「セックス」って古雑誌の小説や漫画で描かれているような、あんな恥ずかしい恰好でするもんなんやろか…。○子ねえちゃんもあの小屋で、あんな格好して男の人のおちんちんを「ここ」に入れていたんやろか…)

 あそこがヌルヌルしてきて恥ずかしい音が鳴り出しました。イメージの中で男の人が言います。

 「随分濡れてきたね。愛液、スケベ汁、マン汁…」。

 仕入れた知識を寄せ集めて自分が「セックス」している情景をイメージします。

 下の姉が隣で寝ているときにはできませんでしたが、わたしは布団をはいで、ショーツを脱いで脚を大きく開きます。そして、わざと恥ずかしい音をたてるように指を動かしていきます。

 おませな同級生たちも、わたしがこんな風に毎晩「オナニー」しているとは思っていないことでしょう。彼女たちも同じようなことをしているかには関心はありませんが、二人の姉は今頃どうしているのかということが気になります。

 翌朝、いつものようにバスで一緒になった真由美に訊いてみました。

 「あんた、学校の中になにか落ちてた、って話聞いてない?」
 「なんか? ああ、もしかして、アレのことかね」
 「たぶん、そうやわ」
 「適当に相槌打ってるわね(笑)。たぶんってことはないでしょ。あんたの科でも噂になってたんか? ウチの科でも随分話に花が咲いてたわ。で、誰やと思ってるん?」
 「誰がとかやなしに、その、あんたこの前、お金が入ったら、なんか建てるって言ってたでしょ?」
 「はは。なんでも『なんか』やんね。まあ、ええけど。だから、やっぱり、我が家の目論見は当たってる、ってことやんねえ!」

 (ウチの親にしても、そんな場所さえあったなら、野外なんかでシなくてもよかったんだろうか…)

 「うまくいくとええね、その計画」
 「なんなの? アンタ、上得意にでもなってくれるんか?」
 「バカ」


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