『洋蘭に魅せられたM犬の俺』-23
「ああっ。ダ、ダメエッ」
アナルを犯されたのも、愉悦のマグマの噴出を覚えたのももちろん初めてだ。
バシーンッ。
突き上げている女尻を激しく薔薇の枝で打ちのめされ、その衝撃が淫具に擦られている性感スポットを直撃した。
「あひいいいっ。いいっ」
淫具を絞めつけている腸粘膜が悲鳴をあげた。
その瞬間、尻尾がビクビクッと青空に向かって屹立して、痙攣した。
「はああっ、いやあっ」
目の前が昏くなった。快美のマグマが体内から噴き出ようとする。
「ポチはお尻を打たれて感じるのね」
薔薇の枝での過酷な尻打ちを繰り返され、その衝撃のせいで快美のスポットに恐ろしいほどの灼熱のマグマが渦巻いた。いつ大爆発を起こしても不思議ではない状態に追い詰められていた。
「あふううっ……凄いのっ」
麗様とのキスで脳髄が味わった絶頂とも異なる身体の芯が震えるような快感の渦。女のポルチオ性感にも似た快感のマグマの沸騰だった。
オスの射精に至る単調で一直線の絶頂とはまるで違っていた。
貞操帯の狭いケージの中に閉じ込められている肉茎は勃起していない。勃起のしようがない。にもかかわらず、先端から発情したメスのような蜜汁を大量にダラダラとあさましく滴らせて、芝生を濡らしていた。
そこにはドロドロのザーメンも混じっていたのかもしれない、
「あああっ。これって……もうイッテるのかしら。止まらないのっ。た、たまんないっ」
俺はメス犬になりきって初めての牝イキに吠えた。
バシーーーン。
ミカ様から最後に強烈な平手打ちを浴びた。
「いいっ。イクーッ。イクッ……イ、イックーーーッ」
呼吸困難に陥るほど、愉悦のマグマの噴出が始まった。目の前は真っ白だ。いつまでもつづく火山大噴火のような断続的な牝イキの絶頂に曝され、芝生の上に倒れ込んで、のたうちまわった。
「あああっ。助けてっ……まだイッてるのおっ」
尻尾が引き抜かれない限りつづく地獄のような牝イキだ。
絶頂に見舞われる腸襞の痙攣が、淫具を勝手に吸引して性感ポイントを擦りあげるのだから、無間地獄のようだ。めくるめく絶頂がいつまでもつづく。
「あああっ。どうしてっ?……また、またイッちゃうっ」
「うふっ。あさましい牝イキを覚えたわね」
麗様もミカ様も嗤って眺めておられるだけだ。俺のメス犬の身体が勝手に何度も何度もイキ狂っている。
「ひいいっ。死んじゃう、うっ」
俺は声を涸らしながら吼え、壮絶な牝イキの連続に失神した。
「ポチ、目を開けなさい」
麗様の透明感のある声が頭上から降り注いできた。
失神から目覚めた俺は、霞む目で麗様の姿を見上げた。
のたうちまわっている俺の顏を麗様が見下ろしておられた。
「ポチ、わたしの蜜よ」
ふわりとワンピースの裾が俺の顏を覆った。
麗様は下着を穿いておられなかった。
灼けつくように火照りかえっている洋蘭のような紅桜色の麗様の秘肉。そこから甘美な愛液が銀色の糸のような滝の水となって俺の口に滴り落ちてきた。
俺はまた夢のような世界に舞い戻った。
まだ底無しの絶頂がつづいている。
麗様の女膣から滴り落ちてくる愛液も止まらない。俺の口腔を愛液が満たし、身体が宙に浮きあがり、麗様のお美しい女膣の奥に吸い込まれていく気がした。
俺はキャンバスに向かって、夢中になって絵筆を走らせる。
麗様を描くことしか考えられない。
煌びやかな光彩を放つ女陰。神々しいばかりの剥き出しのエロスと愛。淫らな生命の源泉がそこに息づいている。
俺の魂が吸い込まれた麗様の女陰だ。
欲情は昇華され、麗様への憧憬と愛の歓喜がすべてだ。
そこに溺れ込んでいる俺の魂が絵の中に透けて見えている。
俺は一睡もせずに絵を完成させると、麗様に飼われる奴隷犬に嬉々として戻り、麗様の足元に腹這いになって、馨しい麗様の甘い香りに包まれた。