12歳の後背位-2
「性のことは前から何となく興味あったの。4年生になったときに学校の保健の授業で少し教わって、で、もっとくわしく知りたいって思うようになったんだ」
「前から、って、いつくらいから?」
「んー、3年生くらいかな」
やっとエアコンが効き始める。沸騰しかけていた俺の頭も脈拍も汗腺も徐々に落ち着きを取り戻してきている。
「その頃から、あの、こういうの見て……」
「ううん、タブレット買ってもらったのは今年だから、エロ動画見始めたのは最近だよ。でも」
唇を小さくすぼめてた綾菜ちゃんの声がちょっとだけ小さくなる。
「さわったりとかは、3年生くらいからしてた」
「……触るって……」
「うん。おなにぃ」
今夜のナゴヤドームはスワローズ戦だっけ、あの左の外国人投手が投げるんだよな、クセのあるシンカーが持ち球だけど、五回を過ぎるととたんにスタミナがなくなるからドラゴンズ打線はそこまで我慢だな。外国人投手の髭面を脳裏に浮かべて中枢神経を落ち着かせる。いまヤバかった。綾菜ちゃんが、おなにぃ、と唇を動かした瞬間前立腺が収縮しかけ、スタンバイ済みの精液が尿道へ押し寄せようとした。さすがにこの薄手のチノパンの中でノーハンド射精はまずい。
「ふふっ、恥ずかしい。お兄ちゃんに綾菜の性のこと話しちゃった」
綾菜ちゃんがまた舌チラを見せる。収まりかけた勃起中枢が再度刺激される。
「でも、お兄ちゃんから教えてもらうんだから、綾菜も自分のことちゃんと話すよ。ね、それで、おちんぽ硬くしたら、お兄ちゃんもおなにぃする?」
「……う、うん……まあ、そりゃ、ときどきは……」
嘘つけ。俺の勝利の方程式は常に勃起→オナニー→射精だ。着実な投手リレーでスピーディにゲームセット。くそう、どうすりゃ改善できるんだ俺の早漏。
「やっぱり?そうだよね。ね、もしかして、しのちゃんを裸にして、それを見ておなにぃしたりするの?」
おちんちん以外の全身も固まる。そういや日曜日に、俺が喫茶店に付く前にしのちゃんと綾菜ちゃんっていろいろおしゃべりしてたっぽいな。まさかしのちゃん。
「……い、いや、それは……あの、こないだしのちゃんなんて言ってたの」
「え、『お兄ちゃん大好き』って。勉強教えてくれたりショッピングセンター連れてってくれたりして嬉しい、って言ってたよ。しのちゃんの影響でTWICEとか聴くようになったんでしょ」
首筋を伝う汗は安堵のせいか。しのちゃん、さおりさんにも際どいことは話していないみたいだし、いくらなんでも綾菜ちゃんにペッティングのことなんて言ってはいないだろうとは思ったけど。
「あ、うん、まあそんな感じだよ。だから、そういうのは大人の女性で……」
「ほんとに?しのちゃんでおなにぃしたことないの?」
「ほんと、だよ。だってしのちゃん、まだ子供だからさ」
ここは、これで突き通すしかない。
「えー、『こいびと』なのに、エッチな気分にならないんだ」
しのちゃん、それは言っちゃってるのね。
「う、うん。だってさ……しのちゃん、まだ子供の身体だし、そういう気持ちにはならないよ」
ぬけぬけとよく言うよ俺も。子供の身体だからそういう気持ちになるんだろ実際は。
「ふぅん……」
綾菜ちゃんがまた小首をかしげ、ちょっとなにかを考えるような仕草をする。
「ね、それって」
綾菜ちゃんが椅子のキャスターを転がして俺にぐっ、と寄る。綾菜ちゃんのひざ小僧が俺の膝に当たり、俺を斜め下から覗きこむような姿勢になった綾菜ちゃんの胸元からパフィーニップルの乳房がちらりと見える。
「子供の裸じゃなかったらこーふんする、ってこと?」
「え?……ま、まあ、そういうことだよね……」
もしかして、さっきの無修正動画あたりを見せられて、「硬くなったおちんぽ見せて」とか言われるんだろうか。
「じゃ、あぁ」
綾菜ちゃんは「あ」をちょっと長めに言った。八重歯がかわいい口元から、12歳の甘い息臭が漏れて俺の嗅覚を強烈に刺激する。小学6年生の女児の息臭。8歳のしのちゃんとも26歳の琴美や32歳のさおりさんとも違う、幼女と少女の間、性成熟が始まりかけた、パフィーニップルにふくらみかけた胸の身体から発せられる、思春前期の12歳の女の子の息臭。
「綾菜、もう大人の身体になりかけてるから、綾菜の裸ならこーふんするよね?」