家庭教師 咲希 -授業を始めるその前に-(2022/12/09)-3
「浩一くん、ごめんね。
開けるわよ。」
咲希はドアをそっと開けた。
浩一の後ろ姿が咲希の目に入る。
浩一は勉強机に向かい、椅子に座っていた。
ヘッドホンをして、
机の上にあるノートPCの画面を見ているらしい。
短パンと下着が膝下まで下ろしてある。
浩一は自分の股間辺りに伸ばした右腕をしきりと動かし、
息遣いが荒くなっている。
PCの画面は浩一の体で隠れて見えないが、
浩一がしている行為が何なのか、
咲希は容易に分かった。
やっぱり・・・。
咲希がそう思った時。
浩一がその場に立ち上がった。
ヘッドホンはしたまま。
上半身はTシャツ1枚。
短パンと下着が下ろしてあるので、
浩一の色白な尻が見えている。
浩一は大きなポスターらしきものを取り出すと、
キーボード辺りに置いた。
そして、立ったまま、再び右腕を動かし始めた。
え?
何?
あ、そっか・・・、
もしかして・・・、
浩一くんったら・・・、
ポスターに・・・出すの?
咲希がそう思っていると、
気配で察したのであろう、浩一が後ろを振り返った。
「あっ!
咲希先生!」
浩一は慌てて短パンと下着を上げると、
机の上に広げてあったポスターを畳み、
机の脇に置いてある参考書の下に隠した。
さらに、ノートPCの画面をパタンと閉じ、
ヘッドホンを外し、
机の上にあったDVDのパッケージを
ポスターと同じく参考書の下に隠した。
咲希は浩一の慌てぶりを見ながら、
ドアを後ろ手で閉め、
浩一が座る椅子のすぐ近くまで移動した。
* * *