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こいびとは小学2年生
【ロリ 官能小説】

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小6の分数と比例とパフィーニップルと-7


 ドアを開けながら綾菜ちゃんがにへっ、と笑う。苦笑いしているさおりさんに見送られながら、綾菜ちゃんのピンクとスカイブルーのグラデーションになったリュックを持ち、綾菜ちゃんの後を追って店を出る。
 結局電車に乗るまでリュックは俺が持ったままだった。ていうか、電車に乗って座席に座ってからも、綾菜ちゃんは俺からリュックを受け取ろうとしない。仕方がないから膝の上に抱えたリュックから、布地に染み込んだ綾菜ちゃんの体臭がぷん、と漂う。性ホルモンが分泌され始めた綾菜ちゃんの、まだ薄いラクトン臭に汗が混じった小学6年生の体臭を吸収したリュック。ふと我にかえってリュックから鼻先を離す。綾菜ちゃんのほうが先に降りるのに勃起しているのはまずい。
 次に俺が休みなのは土曜日。夏休み最後の土曜日だ。時間は……今日と同じくらいでいいかな。場所は喫茶店です。その話を、綾菜ちゃんはなんだか上の空で聞いている。
 綾菜ちゃんの下車駅に電車が着いてドアが開く。立ち上がった綾菜ちゃんはがまた手ぶらで電車を降りる。え。俺もあわててリュックを抱えてドアから降りた。

「綾菜ちゃん、あの……」

「疲れちゃったー。うちまで来て」

 そう言って改札へ通じる階段をたたいて、駆け下りていく。これ結構重いんだよな。
 駅を出てすぐ右へ曲がり、郵便局と公園の間の道を入って五十メートルくらい行った、三階建ての瀟洒な雰囲気のマンションに綾菜ちゃんが入っていく。オートロックの玄関が、たぶん綾菜ちゃんのポケットの中のスマートキーの電波で自動的に開く。追いかけるようにして玄関の中に入る。階段を上がった二階の、いちばん奥まった部屋のドアを綾菜ちゃんが開けた。玄関が広い。さすが二店舗のオーナーさんはいい部屋に住んでいるな。
 玄関の上がりかまちにリュックを置くと、もう廊下まで進んでいた綾菜ちゃんがこっちを見て

「だめ、綾菜の部屋まで持ってきて」

と言って、廊下の右側にある白木のドアから中に入っていく。
 部屋の中は八畳くらいの寝室で、机とベッド、そしてクローゼットと作り付けの棚がある。全体的に白が基調だけど、意外に女の子女の子していないインテリアだ。全体的には片付いているけれど、文房具が散らばった机の上や、たぶんパジャマ代わりのルームウエアがベッドの上に無造作に脱ぎ捨てられているのが、なんかリアルだ。そして、部屋全体に漂う、綾菜ちゃんの匂い。しのちゃんの体臭と違って、もっと甘く、女の子っぽい匂い。
 オフホワイトのシーツとグレーのカバーが被せられた掛け布団が敷かれたベッドに腰掛けた綾菜ちゃんが、ふー、と息を吐く。

「お兄ちゃんありがとー」

「あ、ああ……」

「今日も暑かったね」

 そう言う綾菜ちゃんのちょっと丸っこい鼻の頭が汗で湿っている。

「お兄ちゃん、ここ座って」

 綾菜ちゃんがベッドの上をぽんぽん、と叩く。引き込まれるように俺は、綾菜ちゃんの隣に腰を下ろす。電車の中で並んで座っていたときよりも距離が短い。俺のチノパンに、綾菜ちゃんのキュロットスカートから伸びる足が触れる。綾菜ちゃんの髪の、シャンプーと汗と綾菜ちゃんの皮脂の匂いが混じった、夏の小6女児の匂い。

「お兄ちゃん、今日はありがとうね」

「……うん」

「あのね……綾菜、お兄ちゃんに、もう少し教えてもらいたいことがあるんだ」

 エアコンのスイッチが入れられていない寝室にこもった熱よりも温かな綾菜ちゃんの吐息が、綾菜ちゃんの薄いサーモンピンク色の唇からこぼれる。もうコーラの香りが混じっていない、12歳の女の子の生々しい息臭。綾菜ちゃんの体臭のようにほんのわずかに甘い、二次性徴を迎えた小学6年生の息臭。このままキスできそうなくらい近くにある、綾菜ちゃんの口の、唾液で光るかわいい八重歯と前歯、ちらりと覗くピンク色の上の歯茎。

「う、うん……」

 舌がもつれそうになる。正直、電車を降りたときから、綾菜ちゃんがなにかを企んでいるかもしれない、とは気づいていた。でも、せいぜいどっかのファミレスでごちそうしろとか、玄関前までリュックをポーターさせられる程度だろう、と。まさか、まだ親が帰ってきていない家に上げられて、綾菜ちゃんの寝室のベッドの上で綾菜ちゃんの体臭や息臭を間近で嗅ぎながら……え。綾菜ちゃんが、きゅっ、と俺の右手を握る。そして、エアコンの入っていない、二十八度くらいの室温で上気した顔で俺を見上げ、かすかにはにかんだような表情で言った。

「お兄ちゃん、は……性のこと、くわしい?」


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