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LOOSE
【その他 官能小説】

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LOOSE-3

キスをとくと、優しくベットに寝かされ、悠は服を脱ぎ去った。少し筋肉質な悠の体が菜々子は好きだった。
「ナナ…可愛いよ」
『悠…』
菜々子の白い足を思いっきり広げて悠のギンギンに高まった欲望をぬれぼそった部分にユックリと沈めた。
『あっ…!ゆぅ大きぃ…!』
ズブブ…
悠の大きな欲望が菜々子の中にゆっくりと進入してくる。
「はぁっ…ナナ気持ちい?」
『うんっ…!あっあんっ!』
パンパンパン…!
激しくぶつかる音と共に菜々子の喘ぎ声と悠の息遣いがいつもの狭いワンルームに響く。
菜々子は悠の背中に手を回してキツく抱き付いた。
悠のいつもの匂いをめいっぱい吸い込む。
一層激しくなる悠の腰使いと共に菜々子も段々と上り詰めていく。
『あっゆぅ!いっちゃぅ!ゆう!』
「はっ…ナナ…俺もっ…イク!一緒にイこッ!」
『アっあっあぁー!!イクぅッ!』
「ナナっ!!」
二人の甘い叫びと同時に菜々子の中で悠の熱いほとばしりが広がるのを感じた。
二人の荒い息遣いが辺りに響く。キツく抱き合ったまま動けないでいた。
どれ位そうしていただろう?
暗闇に目が慣れた頃、悠が体を起こした。タバコを吸うんだろう。悠はSEXをした後必ずタバコを吸う。皆はすぐにタバコを吸う男は嫌だと言うけれど、私は嫌いじゃない。悠のタバコを吸う仕草が好きなのだ―。
暗闇の中で悠の裸体が動く。
筋肉質な体―でも少し細い腕、繊細な指先、長い首筋…―
悠の体を見つめていると首筋に朱い斑点を見つけた。
―ドクンッ!
菜々子の心臓が高鳴る。
首筋だけでなく、胸や背中、いくつかを見つける事ができた。
今朝はなかったはず…―。
キスマークだよね……―?
さっきは暗闇だったから気付かなかったが、今はしっかりと認める事ができる。
菜々子はふだん悠にキスマークはつけない。
だから菜々子とは別の女がつけたと言う事だ。
ドクン、ドクン
心臓がうるさい程高鳴る。
なんで?考えたらわかるじゃない。私たちは付き合ってないんだからありえる事じゃない…
だから驚く事ないじゃないー…
『…悠、最近他の女とやったの?』
気付いたら菜々子は悠に聞いていた。胸の高鳴りを抑えて―。
「…なんでイキナリそんな事聞くの??」
紫煙を吐きながら振り向いた悠の視線をそらして菜々子は唇の震えを必死に抑えた。
『…キスマークついてるからわかるって。バレバレだよ。』
なるべくおちゃらけて平気を装った。
「…キスマーク?マジ?…あ〜ほんとだ…やられたぁ〜」
鏡の前に立ってキスマークの部分をさすりながら悠は嫌そうな顔をした。
『ほんとアンタ性欲だけはすごいね。今朝もして昼も夜もって高校生じゃん。』
「ちがうよ!俺最近ナナ以外やってねーもん!」
悠が珍しく大きな声を出して菜々子の方を見た。そんな悠の目を見る事ができなかった。
『ハイハイ。別にそんな言い訳しなくていーじゃん。ごめんね、変な事聞いて。』

…相変わらず心臓の音がうるさくて、初めて悠の目を見れなくて、自分のこの感情の理由が見つからなくて…泣きそうになった。

『…てかさ、明日早いんだよね!私帰るわ!』
泣きそうになるのをごまかしながら手際よく服を身につけて、逃げるように悠の部屋を出た。
「…ナナッ!!」
悠の私を呼ぶ声が耳をかすめた。


わかっていたじゃない―。
わかっていたはずなのに―。
私達は恋人じゃない。
所詮体だけの関係。
変わらない事実。
自分が望んだ関係じゃないか。
それなのに…それなのにこの胸の痛みは何?
溢れる涙を止められない。
私は何の為に泣いているの?
『ゅ…ぅ…っ』
いつの間にか悠との行為を愛と勘違いしている自分がいた。
悠を必要としている自分がいた。
悠でなければいけない自分がいた。
二人の間に始めから愛なんてなかったのに―……
『……ばかだ……』
何てばかなんだろう。
何て愚かなんだろう。

秋の夜の空気は私を冷たくとりまいて、月の光は柔らかく私を照らし続けた。
涙で視界がぼやけるのをまるで私と悠の未来のようだと、頭の片隅で静かに感じた―…。


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