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レイ・ラブ
【ファンタジー 官能小説】

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レイ・ラブ-1

ラベンダーの香りの粉を撒くと、僕はレイの腕をつかんで一緒にホテルへ入った。

「さあ愛しい人。そこに座るんだ」部屋の真ん中のスツールを指す。
レイは黙ってそこに座った。
ルームキーをベッドの上に放り投げる。
ジャケットをハンガーにかけると、細かいほこりを払って、「手は後ろで組むんだ」 
それからゆっくり振り返って、言うことが実行されるのを見ながら、ワイシャツの袖をまくった。
≪いい子だ。この子はこれからされることに、期待と不安を感じているぞ≫
「トミイ、こんなことしなきゃいけないの」
レイに近づくとその頭を抱える。 「僕はこんなことはしたくないんだ。だけど君の為にしなくちゃならないんだ」
そっと小瓶を出して、ラベンダーの香りの粉をもう少し振りかけた。
≪もう十分に効いているのに、僕も小心者だな≫ この子用に特別に調合したものだ。
≪さあ始めよう。お嬢様、僕にすべてを見せてくれよ≫ 心の中で宣言する。
「すべて僕の言うようにすればいい。 わかったら返事」
「‥はい」
「君のことがすごく気に入ってるんだ。僕の君になれるね」
「はい」
≪よし、いい返事だ≫
「では、あいさつからだ」僕はほっそりとした肩にやさしく手を置いて、薄い青にも紫にも見えるラベンダー色のブラウスをなでた。
「君はこの色が好きなんだね」
「はい。色も、その香りも大好きよ」
「このかわいい服はだれのために選んだ」シルクの手触り。
「あなたです。花をくださったでしょ」
「この髪はだれのためだ」メイドにでも編んでもらったのか、細かくていねいに編んだ髪にさわる。
「あなたです。髪が素敵と言ってくださったから」
「じゃあ、この唇はだれのためのものだ」小さくふくよかなピンクに濡れる丘に触れた。
「あなたです。おやすみのキスをしてくださってから」
「よし。ご褒美だ」キスをしてやる。 「僕たちはもう恋人同士だね」
「はい」
これはレイという魔女を判定するためのテストのはずだった。
最初は食事に誘い、ちょっといじめてみて、無理な要求や悪意に対する意識や反応を見るのだ。
上からは、レイは名家のお嬢さんだから、微妙なテストにはくれぐれも注意するように、と言われていた。
だからこそ僕が選ばれたのだ。
≪これくらいは役得というものだろう。しかし、呪文への耐性はないようだな≫ 名家と聞いていたのに少しがっかりしてしまう。
肩に置いた手を腕まで降ろし、ゆっくり脇の下から、胸のふくらみに合わせて、その下側をみぞおちまですべらせていく。
レイが体を震わすのを感じた。 ≪よし、なかなかいいぞ≫
「この美しい胸はだれのものだ」
「あなたです。ずっと見ていてくださったでしょう」


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