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レイ・ラブ
【ファンタジー 官能小説】

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レイ・ラブ-8

家には兄さんがいました。「家にいたの?」≪やっぱり、彼だったんだわ≫
「ああ、そうだよ。おまえのそばにいるよ」
「よかった」兄さんにキスします。でもそれは唇でしたし、親愛にしては長すぎました。
なぜそんなところにしたのかわかりません。
「ごめんなさい。私‥」  『わたし、兄さんのお嫁さんになるの』頭の中でそれだけが響き続けます。
≪待って、今のはどっちの言葉、家にいたの? 私といたの?≫
「教えて、私、兄さんのお嫁さんになったの」
「するわけないじゃないか」
「でも、私を抱いたわ」
「そんなわけないだろ。そうか、[あれ]だな。おまえのやり口はわかっているぞ、そうやって僕を消耗させようと言うんだろう。その手には乗らない」急に兄さんが叫びます。
「じゃあ絶対にしてないのね、誓ってくれるのね」
「それは、 僕もわからない」怒鳴りつけてきます。
「そうやってごまかすのね」
「わかったぞ、またベッドへ誘い込もうと言うんだな。おまえは妹じゃない。妹はあんなキスはしない」
「兄さんは[あれ]のせいにしてごまかそうとしてるのね」
「ちがう、おまえとしてなんかいない。ただ、確信の証拠が出せないんだ」
「確信できないのはしたからじゃないの。抱いたんでしょ。認める勇気がないだけなのよ。約束を守って、お嫁さんにしてちょうだい」 口が勝手にしゃべってしまいます。≪違う、こんな事を言うなんて≫
「誘惑するんじゃない」
「私の最後のお願いなのに、そんなことを言うのね。兄さんは誓ってくれたのに破るのね」 ≪もうやめて≫
「誓いの意味もわからない頃のことじゃないか」
「そうやってごまかしても、闇に堕ちるわよ。それでいいのね」 ≪声を出す喉を潰してやりたい≫ 「誓いを守って。キスして」
あきらめたように、肩を持たれました。
≪こんなの違う≫ でも体が言うことをききません。悔しくて涙が出ます。
兄さんの顔が近づきます。
「これは何だい」
兄さんは私の涙を見てくれました。
「惑わすのに、何を泣くんだ」一つの疑問は次の疑問を呼びます。 「したいんじゃないんだな。 本当はいやなのか」
首を縦に振ります。喋ると何を言うかわかりません。
「ああ、レイ。大丈夫だよ。僕は何もしない」抱きしめかけて、「僕は危険だ、近づかないで」
「兄さん」その腕にかみつきました。 ≪わたしも危険なのよ≫
「兄さん」勇気を出して聞きます。「私、兄さんと寝たの?」
「わからないよ。レイ。レイ、僕はおまえを抱いたんだろうか」兄さんは震えていました。
一番の悪夢は兄さんとしたかどうかではありません。したくて、ずっともだえ苦しむことでした。
背徳への願望と、やまない淫乱の中に溺れていきそうになります。
それを紛らそうと彼の腕の中にもぐりこんでも、兄さんの影は付いて回ります。
それを止めてくれたのが母さんでした。[あれ]の攻撃は消えました。
「若い子では仕方ないんですよ」悪いことと攻め立てたりはしませんでした。「全ては妄想なんですよ」
それでも兄さんの影は私の心を汚しました。
消えることはありませんでした。―――――――


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