レイ・ラブ-7
――「そんなこと気にするな」抱きしめられます。
兄さんの声でした。
「兄さんには時間があるものね」言葉がきつくなってしまいます。
「大丈夫」もっときつく抱きしめられました。
「できる時に楽しめばいいよ」
「できないのよ、もう時間がないの。妊娠できても、産むだけの時間があるかもわからないのよ」
「そんなにほしいんだね。わかったよ」そして、挿入されました。
「えっなに。なにしてるの」兄さんのものは、さっきのままの感触でした。
≪彼のじゃない、やっぱりさっき私は兄さんとしてたんだ≫
痛みはあまり感じません。ただ、兄さんのものが中にあることに戸惑いました。
私の下半身の柔らかい中を、それが動きます。「ああ」兄さんの動きに身を任すしかありませんでした。
でも、こうやっていると、彼に中途半端にされていた気持ちが少し癒やされていきます。
「結婚できたね。これでおまえをいつも僕のベッドに入れておけるよ、いっぱい抱いてあげるからね」
「うそ、だめよ」 『私、兄さんと結婚するの』その言葉が頭の中で何度も鳴り響きます。
「でも気持ちいいだろ。もっとしてほしいだろ」
「止めようとしても、兄さんは離してくれないじゃない」
「そんなことないよ、おまえはそうしようと思えば動けるんだから」
私は兄さんの腰に足をからめてみました。
「ほらね」
「だめなのに、本当はこんなことしちゃだめなのに」言いながら、うめきが漏れてしまいました。
「大丈夫、おまえの一番欲しいものは、僕がプレゼントあげるよ」
「だめなのに」それしか言えませんでした。
成人もしていない乙女から、急に子どもが欲しいと言われたら、二の足を踏まない人がどれだけいるでしょうか。だからといって、ただの行きずりに身を任せる気にはなれませんでした。
≪だめなのに、ちょっと気持ちがいい≫
それを察したかのように、兄さんの動きが早くなっていきます。
「いい、いいっ」小さく叫んでいました。
そして兄さんのものが中にあふれてきました。
「よかったよ」抱きしめられてうれしくなります。それから、そのことに血の気が引きます。
「そんな、それはだめ」 『プレゼントあげる』の意味が染みてきました。「これは許されないことよ」
それでもぼんやりとした満足感に愕然とします。≪してしまったのに?≫
そのまま、おなかを抱えて、眠ってしまいました。――
あわてて起き上がります。
横では布団を頭からかぶって、彼が寝ています。彼? それとも‥
怖くて布団に触れられません。でも、寝息が違います。兄さんのそれは小さいころから知っていました。
≪そうだ。私、兄さんと結婚しちゃった≫ それから、≪違う、彼と寝たのよ≫
そのまま服を着ると、夢遊病のように家に帰りました。
あれは惑わしか、本物か
≪それとも、私は眠ってただけなの、夢?≫ でも、ショーツの裏には男の汚れがついていました。
≪ああ、どっちなのよ≫