レイ・ラブ-2
≪おいおい、そこまで言わなくてもいいんだよ≫ 3番目のボタンの合わせ目が乳房に引っ張られ、広がっていた。
ブラウスのボタンをひとつ、ふたつ、はずす。レースの小花が舞う水色のブラが出てきた。
「これは、だれのためだ」ブラのフリルを揺らす。
「あなた‥」 薬の影響があっても、さすがに言いにくそうにしている。
「では僕にくれるかい」
「恥ずかしいわ」
「僕のためだ」ここはどなりつけてやる。≪さあ、どうする≫
レイの顔が泣きそうだ。
「このかわいいブラはだれのものだ」あごをつかんだ。
悲鳴をあげそうになっている。急な荒っぽさに顔をゆがませながら、「あなたです」
「そう、全部僕のものだ」グイッと上を向かせる。ラベンダーに曇らされていても美しい瞳だ。
≪最初から、はいと言えばそれ以上にはしないのに≫
とうとうレイが悲鳴を上げて、姿勢を崩してしまった。
「動くんじゃない。手は後ろで組め」 座り直させる。≪それでは、もう少し追い詰めてやるか≫
「くれないのなら捨ててしまうぞ」肩ひもを引っ張り上げる。
「いや」叫んで、レイは身を伏せる。端から乳房がこぼれ出てしまった。
可愛い乳房が顔を出したのは、これはアクシデントというやつだ。少し手を緩めた。
「痛かったか。でもこれはみんな君のためなんだ。僕だってしたくないんだよ」胸から目が離せない。
「本当は優しくしたいんだよ。意地を張る君が悪いんだ」
軽く抱く。その腕の中で少し落ち着いたようだ。そんなレイにもういちどキスをしてやった。
レイからも唇を寄せてきた。その目はさらに夢見るように、潤み、濁っていく。
「はい。すみません」従順に答える。
僕は、本当はもっと激しく唇を奪いたいのだ、≪これはテストだ≫
「では、どう詫びる」
僕の手を取って、自分の胸に持っていった。
≪これは本人の意思なんだ≫ そう言い聞かせて、ボタンを下まで外していく。
はだけてのぞく乳房にそっと触れた。乳首は硬く飛び出している。
やはり、シルクの手触りだ。
≪いや、まて、僕はなにをしてるんだ。やりすぎだ≫ 危険信号が心に鳴り響く。その音が大きすぎて、頭がクラクラしてきた。
「君を離したくない」 手のひらの中でレイの乳首がころがる。
心の中はひずんだ雑音と手の中の感触だけ。
「はい。お兄さん、私も気持ちいい」
「お兄さんってなんだ」危険信号に従うより、興味がわいてきた。
≪この子を探る突破口かもしれない。このままでは終われない≫
「え、あなたは私よりお兄さんでしょ、だからそう言ってしまったんです」
へたな言い訳だ。「僕が兄? 変だ。お兄さんじゃないだろ」
「はい、恋人の、お兄様」甘いにおいが漂った。
≪そう、僕たちは恋人だ≫ 乳房を引き上げて立たせると、唇に、そして乳首にキスをした。