そこに、オトコのひとがいた-2
▽
……ふと思い出した、あの日の私。
だけどホンモノのチンチンを見たら、蹴飛ばすどころか声ひとつ出せなくなるなんて。
私、こんなに弱かったんだろうか?
オヤジは私の手をグイと引っぱって、私を抱いた。
抱いたが早いか、オヤジは片手で私のショートパンツと下着を乱暴にはぎ取った。
はぎ取ったうえに、ポイと踊場の隅に投げつけた。
「お嬢ちゃん……」オヤジは言った。「声出すんやったら、大声出して助け呼んだらええんやで。そやけどな……」オヤジは私のお尻のワレメを指でさぐった。「お嬢ちゃんの声を聞いて来たひとに、このお尻とかオメコとか見られるんやで。来たのが男のひとやったらどうする……?」
オヤジは、私の脚を広げて硬いチンチンを私のおヘソの下にこすりつけた。
お尻の穴と、生理の穴との間あたりをチンチンの先がつついている。
私は黙って、オヤジの肩をつかんで身体を傾けていった。
「どないしたんや?」オヤジが言う。「自分でここを触るより、気持ちええんかな?」
何も言えなかったけど、その通りだった。
夜ふけにベッドの中で、私が指でさぐって気持ち良くなる場所を、オヤジのチンチンの先が慣れた感じで撫でまわす。
その撫でまわす範囲がしだいに狭められていって、やがて一つの点に集中したとき、
「おい、そこで何してる!」
男のひとの声がした。オヤジは私をつき飛ばして立ちあがり、勢いよくそのひとに体当たりした。
男のひとが尻もちをついた。その横をオヤジは勢いよく駆け抜けていった。
(お、おっちゃんだ……)
男のひとは、私たちが「おっちゃん」と呼んでいる、シノさんのお父さんだった。
おっちゃんは、自分の着てた薄い上着を脱いで私の腰に巻いた。そして私を抱きあげると、踊場に散った私の下着などを拾って、素早く走り出していった。
▽
私が降ろされたのは、おっちゃんの家のソファーの上だった。
「怖くないで…… もう、怖いことないで……」
おっちゃんは私の頭をなでてくれた。
私はおっちゃんのやさしい声に加えて、ソファーから感じるシノさんの匂いに心が安らいだ。
おっちゃんが、私の腰に巻いていた上着をそっとはずした。(あ、下、パンツはかないと……)と思った瞬間、おっちゃんが私の脚の間にはいりこんで、私のお股に顔を寄せた。
(あっ……)私のお股に、熱く濡れた柔らかいものが当たる。それは生理の穴のあたりの短い距離を往復して、私の腰から下のチカラを失わせるくすぐったさをもたらした。
(おっちゃん…… 私の…… あそこ…… 舐めてる……)