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ヤクトリの女
【熟女/人妻 官能小説】

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強制捜査-1


※これからは先は結末に向けてのお話が少し続きます。官能的描写はほぼ有りません。ご了承の上お読み下さい。

 

 翌日早朝、強制捜査に参加する全捜査官を前に真理子が挨拶をして、応援に駆け付けた特別急襲隊と各課の捜査官達に改めて礼を述べ無事の任務遂行を願うと伝えた。珍しく上層部の上役達も顔を揃えた。真理子は車両で全員が現場に向かうのを見届けると捜査課に入った。

小型モニターが何十台も設置してある。拠点ごとに数台のモニターが割り振られ切り替えも出来る。モニター操作に10数人が張り付いている。これらは、上層部の上役達の希望でモニター監視要員も近隣の支部より来させた者達だった。

上役達は、モニターの後ろのパイプ椅子に座りにくそうにしていた。今回の強制捜査は、自分達の進退や左遷がかかる為見届けたいのだろう。真理子は、今日はずっとここにいて上役達の強制捜査への介入をさせないつもりだ。上役達のほとんどは本省からの出向組で捜査経験も無い事務方なのだ。素人判断で掻き回されたく無かった。

 刻々と強制捜査の時刻に近づく。予定では、全ての拠点や潜伏先で人の出入りが無い時間帯の午前10時10分だ。外での捕物となると一般人を巻き込み兼ねない。今までの監視から設定した時間だった、例外は有るとして強制捜査の前に外出した対象者は事前か、事後の逮捕とすると決定していた。

拠点の一つから外出が有ったとアナウンスされ待機組の山田達とモニターに見入る。例の元喫茶店からで、出て来たのはリュウだ。小さ目のダンボール箱と伝票らしき物が見えた。コンビニにでも宅急便を出しに行くのだろう。真理子は、

(出来れば、この男は拠点の中で他の者と一緒に逮捕したい。)

偶然でも何でも、一人だけ別個で逮捕すると他の容疑者達に捜査機関との密通を疑われるのだ。暫くして、真理子の携帯が鳴る。銀三からとの表示だ、真理子の顔が真っ赤に赤面する。この前銀三と過ごした深夜の痴態を思い出したのだ。捜査課の隅に移動して、

「はい、小田です。」

と小声で携帯に出ると、

「課長、リュウからの伝言だ。」
「例の会合場所の元ガールズバー。あそこが怪しいってリュウの野郎が言ってたぞ。」

と銀三は名乗らず、いきなり言って来た。真理子は思いもしない銀三の話に動揺し、

「何か、理由が?」

と聞くと、

「リュウが言うには、アイツ誰だっけ?」
「元喫茶店に集金に来る幹部いただろう?」
「そいつをあのガールズバーで見かけた事が有るそうだ。」

と話した。続けて、

「あのガールズバーには地下室が有るそうだ。」
「元ワイン専門店だからワイン置き場の地下室が有ったらしい。その地下室に入るその幹部を見たと言ってた。」

と話した。真理子は思わず、

「菅原が元ガールズバーの地下室に来ていた?」

と大きな声で確認して、周りの注目を浴び慌てて小声になる。銀三は相槌を打ち、

「そうだ、アンタ言ってたろ?」
「証拠が有りそうな場所の情報が取引に使えるとか。」
「さっき、リュウが電話して来たのでヤツにそう言ったらその話をしたんだ。」
「ヤツはあのガールズバーでバイト中に半グレに今の仕事に誘われたんだと。」

と話す。真理子は頷き、

「その地下室の事、他に何か言ってました?」

と聞くと銀三は、

「俺も聞いたが、入れるのは決まった連中だけだと。」
「地下室の入り口前に見張りがいて厳重だったそうだ。」
「あのガールズバーもやるんだろう?捜査?」

と話す。真理子は顔が真っ青になった。あの元ガールズバーは暫く監視カメラを置いていたが人の出入りが無い為引き上げさせたのだ。

(たまたま、潰れたガールズバーで会合したのでは無いとしたら?)
(拠点の一つかも?)

と考え込んでいると、

「お〜い、課長!聞いてる?」

と銀三が笑いながら話してくる。真理子は気が付いた様に、

「すいません、捜査対象じゃ無いです。」

と答えるが頭はパニック気味だった。

(対処しないと、でも人員が居ない!)

と思っていると銀三が、

「裏口のビール瓶ケースの下に合鍵を置いてるって言ってたぜ。」
「ガールズバーの従業員は裏口から入って店開けるらしい、当番の時に鍵忘れた事が有るとかで勝手に合鍵作ったとよ。」

と話す。真理子は頭を巡らし、

(裏口も報告は受けていた、隠しカメラも設置したが出入りは無かった筈だ。)
(でも月一位のペースでしか、物品の搬出入をしないとしたら?)
(確かめる必要がある!)

と頷くと銀三に、

「貴重な情報、ありがとうございます。」
「すぐにガールズバーに行かないと!」

と話して切ろうとする。銀三は、

「アンタが行くのかい?」

と驚く。真理子は急ぐ様に、

「ええ、他に人がいないの。」
「では。」

と電話を切る。真理子は部長に急遽、連中の拠点の可能性がある場所の情報が入ったとして裁判所への家宅捜索令状の申請を頼みそこに出掛ける旨を伝える。部長は危険だし捜査の指揮はどうなるのかと反対した。

真理子は、強制捜査の総指揮は主任の瀬戸であり各リーダー達もいるので大丈夫だと説得する。実際、今も刻々と瀬戸の乗る大型バンには各リーダーから報告が上がっている筈だ。場合によっては待機組を招集したり、拠点間の捜査官の移動も指示する。

捜査課のモニターは上役達が自分達が少しでも早く情報を得たいと設置した物であり、実際の現場の把握には無駄とは言えないまでも情報量は限られるのだ。待機の山田に、元ガールズバーの話をして真理子自ら確認に行くと告げる。


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