始まりは道楽なり-4
――二時間後――
「もうだめ……」
俺以外みんなダウ〜ン
「オイオイまだ11時だぞ」
まったく体力のない奴らだ
「ほら行くぞみんな、十分休んだだろ」
しぶしぶ歩きだす
「ん?…霧か?」
少し歩くと霧がでてきた
「おいみんな霧でてきたからきをつ………」
振り返ると………
誰もいな〜い
「はあ?」
マジかよ
「……ゎ……」
ん?少し声が聞こえた
少し戻ると横に崖が
「お〜い航〜」
マジかよ
崖の下から哲也の声が
「おい!どうしたんだよ」
「ちょっとやばいんだよ」
「ああ〜…もういい、今そっち行くぞ」
そう言って俺は飛び降りた
「お〜い、航こっち」
「え?」
哲也の声が聞こえたところには……倒れた大木
「哲也どこ?」
「木の下」
たしかに大木の下から哲也の声が
「どうなってんだ?」
「いや〜俺らみんなで崖からころげ落ちてさ〜、その上から木が倒れてきたんだけどちょうど落ちたとこが岩と岩の間で助かったんだが閉じ込められました」
「はぁ〜」
どういう状況だよ
「ちょっと持ち上げてみる」
俺は木に手をかけた
「フンッ…!!」
びくともしない
「はぁ、コリャ無料だ」
「俺らどうすりゃいいんだ?」
「助け呼んでくる」
「場所わかるか?」
「俺らはジオキャッシングにきたんだぜ、緯度経度わかるから戻ってくる」
「……頼んだぜ」
「おう」
「航!!」
「……楓」
「お願い…」
「おうよ」
そう言って俺は走りだした
走りだして一時間ほど
「ゼェゼェハァハァ…」
ついた
「先生!」
「ん?瀬山か、まさかもう見つけたのか?」
俺は先生に事情を話して案内した
「みんな!」
「!!航か?」
「大丈夫か?先生よんできたぞ」
「助かったぜ」
先生と一緒に俺は木を持ち上げようとした
「せ〜の……フンッ!」
少し浮いたが動かなかった
その後何度もやったが無理だった
「クソッ!!」
「瀬山…助けを呼ぼう……この人数じゃ無理だ」
「クソゥ!!」
「…航…俺らは大丈夫だから…」
憲司の声がした
「お前らが良くても俺が耐えられない!!……お前らが閉じ込められたままなんて……」
「……航……」
楓の声がした
「まってろよ…」
体全体に力をこめた
ぶっ倒れてもいい
「だぁぁぁああああ!!!」
木が動いた
「ああああああ!!」
ドゴンッ!!
木の間にすき間ができた
「……………」
「ゼェゼェゼェゼェゼェゼェゼ………」