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ヤクトリの女
【熟女/人妻 官能小説】

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監視部屋-3

銀三が思案気に頷き、

「拠点の横の空き地に配達のヤツ、車停めるのかな。」
「仕事終わったら、ここで泊まって朝から見張るか。」
「配達のヤツの車両ナンバー確認しないとな。」

と言う。イチが申し訳無さそうに、

「済まない、銀さん。」
「俺が頼んだばかりに。」

と言うと銀三が笑い、

「気にするな、イチ。」
「ちょっとした探偵気取りで面白くなって来た所だ。」
「それにヤクトリの女はもう俺の女の様なもんだ。」
「課長なんだと、手柄挙げさせたい。」

と話す。イチはやや驚き、

「へぇ、あの女偉いさんかぁ。」
「銀さん、エライのに手出したね。」

と笑う。銀三も、

「全くだ。」
「普通なら関わる事も先ず無い女だな。」

と笑う。銀三が出勤する為に管理人室を出るのに合わせイチも一緒に部屋を出た。駅まで2人で歩き、路線が違うので構内で別れる。銀三が、

「リュウから何か聞いたらメッセージでも良い、教えてくれ。」

とイチに言葉を掛ける。イチは頷き、

「すぐに伝えるよ、銀さん。」
「じゃあ、また。」

と返すと帰宅の為に銀三とは違う路線に向かった。銀三はイチを見送り時計を見て職場に向かう為にホームに早歩きで向かう。


 真理子は早朝から出勤して、今日から始まる他課の捜査官も交えたツープッシュ購入を予想される者達の内偵捜査のミーティングで捜査協力の礼を述べる。

具体的な説明は予め主任の瀬戸が行っていたので、ツープッシュ関連の拠点は複数が予測される為拠点が判明しても報告、監視のみに留め逮捕等行わ無い事を改めて要請した。

真理子がデスクワークをこなして時計を見るといつの間にかお昼を過ぎていた。昼食でも摂ろうと椅子から腰を上げた時、仕事用のスマホの着信音が鳴る。真理子は公衆電話からだと確認して出ると、

「俺だ、分かるか?」

と銀三の声に瞬く間に真理子の心臓の心拍数が上がる。顔も火照り、自分の体の反応に怒りさえ覚えながら、

「ええ、銀三さんですね。」
「何かお話が?」

と平静になる様に努めながら答える。銀三が、

「そうだ。」
「成果ってヤツが有ったんでアンタに知らせたくてな。」

と話す。真理子はやや驚き、

「今日から例の事を始めたのに、もう成果が?」

と声も上ずる。銀三が、

「例の中にいるヤツの話を昨日、聞いたんだ。」
「毎日例の薬、配達してるヤツがいるんだと。」

と言う。電話に周りの騒がしそうな音が入る、雑踏、何かのアナウンスの声などだ。銀三が、

「その配達のヤツの顔が映った動画が有る。」
「あと乗って来た車のナンバー書き溜めた。」

と言い、

「アンタの職場に近い駅は、地下鉄の◇◇駅だろ?」

と聞いて来る。真理子は思わず、

「ええ、そう。」

と答えると銀三が、

「今、その◇◇駅にいる。」
「アンタが早く見たいと思って持って来た。」
「すぐに取りに来てくれ。」

と話す。真理子はビックリして、

「今、駅なの!」

と大きな声を出し、慌てて口を塞ぐが自分の課長室だと思い直し苦笑いする。銀三と話す時は、声を潜める事が多いので癖になっているのだ。

「すぐに行くわ!待ってて。」

と返事する。銀三が笑い、

「ああ、早めに頼む。」

と返す。真理子は、課長室を出ると捜査課に向かうと待機している部下達に外出する事を伝え小走りで支部を出る。部下達は何事かと驚いている。

真理子は駅に小走りで向かったが、駅の何処にいるのか聞いて無かったと思い焦るも銀三はすぐに分かった。改札口近くの券売機の所に立っていたのだ。

銀三は真理子を見て顎をしゃくり、少し離れた飲料水の自販機の所に行く。周りには人が居ないのを確認して、銀三は透明なケースに入ったsdカードと折り畳まれた小さな紙を真理子に渡す。

真理子が紙を開いて中身を見ると国産の高級車の車種名、色と車のナンバーが書いてある。

「写真撮れば良かったんだが、撮る時の音で気付かれると思ってな。」
「動画の11時前後に出入りするヤツが配達人だ。売上も持っていくそうだ。」
「同じヤツが来るかは分からないが毎日ツープッシュの配達と金の回収に来るそうだ。」

とやや疲れた顔で銀三が話す。真理子は、

「朝から拠点、見張っていたの?」

と驚いて聞く。銀三は頷き、

「まあな、アンタ達に取っちゃ大事だろ。」

と返す。真理子は、銀三が自分達の捜査の為にそこまでしてくれた事に意外な感じがした。どちらかと言えば司法関連の機関には敵意が有ると感じていたからだ。

(もしかして、私の為なの。)

と思っていると銀三は真理子の顔を覗き込み、

「アンタ、顔にはっきり出るな。」

と言う。真理子は怪訝な顔で、

「何が出るの?」

と聞く。銀三は、

「走って来た事だけのせいじゃ無い、その顔の火照りと潤んだ目だ。」
「俺に会うと期待して、既にマンコ濡れてんだろ。」

と笑うと真理子は厳しい顔をして、

「そんな事は無い!」
「あなたの勘違いよ。」

と大きな声を出し、慌てて手周りを見渡し

「こんな所で変な事言わないで。」

と小声になる。


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