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被虐計画
【調教 官能小説】

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計画の実行-1

次の日は日曜日で、あのヤクザが店に来る日です。
私は私らしくない格好をして、店の前に張り込んでいました。
伊達メガネで化粧も派手目にしています。同僚には私だとわからないでしょう。

男が店に入って出てくるまで、ひたすら退屈でしたが、二時間待ち続けてやっと成果を得ることが出来ました。
男は店を出て、そのまま東に歩いていくようでした。後ろを警戒している様子もありません。
私は男の後を付けました。尾行して、夜になったらわざと細い道に誘い込んで襲われようか? それとも、頭を下げて犯してくれるよう頼むべきか?
そんなことを考えてから、実際その段になったらできる勇気もないのだと自嘲します。

男は飲み屋街を抜け、閑静な住宅街に入り、その一角にあるマンションに入りました。
オートロックも無く、あまり家賃は高くなさそうです。
二階建てのマンションで、部屋数は見たところ数室しかありません。
私は迷いました。マンションで鉢合わせたら終わりです。
ですが、それならそれで抱いてくれるよう頼めばいいだけだ、と思い起こして、男の上った階段を登ります。すぐに決心したように言いましたが、実際には十分近く建物の下で迷っていたのです。

男の部屋はすぐにわかりました。というのも、廊下を歩いているときにドアから喘ぎ声が聞こえてきたからです。
その声は微かに漏れ出る程度でしたが、私は足を忍ばせていたのではっきり聞こえたのです。
「ああっ...、ああ!」
「いや! いや!」
そして野獣のような咆哮。咆哮は男の声ではありません!
私は夢中で聞き入り、ここが男の部屋に間違いないと確信しました。202号室。
身体がほてってどうしようもありません。
私はへたり込んでドアに耳をつけ、行為の様子をうかがいました。

行為はずいぶん長くかかりました。
二時間ほどだったと思います。ふつうはそれくらいなのでしょうか?
私も下着の上からクリトリスをまさぐり、男が果てると同時に果てました。
行為が終わるとしばらく沈黙があり、そして会話が聞こえてきました。
飯を作れと男が命令していて、相手の女は冷蔵庫を開けたが何もない、と返しました。
「来週はお前の家に行くぞ。お前ん家ならすぐにできるだろ」
「そんな...、日曜日は夫がいるんです」
女の泣きそうな声がしました。男が笑います。
これを聞いて私の頭に電流が走りました。
犯されたい、この男に犯されたい!
私はよたよたとマンションを去り、まるで自分がストーカーみたいだったなと思いました。

踏ん切りをつかせるために、身分を偽装することを考えました。
どうしても耐えられなくなった時に逃げ出すことが出来ないとだめですし、大学の友人にも男との関係を知られたくありません。
逃げ道があると、私は滞りなく準備を始められました。
一月かけて偽の保険証と運転免許証、学生証、そしてもう一台のスマートフォンを手に入れました。どうやって手に入れたかは話しません。
非常に手間とお金がかかり、ためていた貯金もほとんど無くなったと言うことだけ言っておきます。
偽造した身分証には『北原麻里』と書かれています。本名ではありませんが、それに近い名前です。
男のストーキングも続け、男が平日の夜に、水曜日に必ず一人で飲みに繁華街へ行くことを知りました。
私は本名が書かれた一切のものを月ぎめのコインロッカーに放り込み、新しいマンションも借りて二週間ほど暮らし、いよいよ実行する時が来ました。
是が非でも実行するよう、準備の間は禁欲し、決行日は生理の前にしていました。

狂おしいほど性欲を溜め、ピルを飲んだ私は男のマンションの近くのコンビニに寄りました。
ビールを二本買い、店前で一気に飲み干し、男の通り道となる中で一番暗い路地で男を待ちました。


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