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被虐計画
【調教 官能小説】

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計画のおこり-1

自分語りで恐縮ですが、昔から被虐願望がありました。
広い言葉で言えばマゾヒストです。
一口にマゾヒストと言っても、肉体的な苦痛を喜ぶ人もいますし、精神的な苦痛を喜ぶ人もいるのはご存じでしょう。
私は精神的な方でした。
ただ性欲を吐き出す道具として使われ、物として、ひどい言い方をすれば肉便器として扱われたかったのです。

だからアルバイト先の喫茶店であのヤクザの話を聞いたとき、私の胸は経験したことのないほど熱くなり、話してくれた同僚には耳まで火照っていることを指摘されました。
「ごめんね。真理ちゃん、そういう話苦手そうだもんね」
同僚には恋愛経験がないことも話してありました。彼女は私のことを、うぶで清純だと思っているでしょう。
「でも、本当に気を付けた方がいいよ。あの人、自慢げに女の子を風俗で働かせてるって言ってたから」

同僚が話してくれたのは、毎週の土日に朝食を取りに来る男がヤクザで、何人もの女性を乱暴してセフレにしているということでした。
もちろん私は興味を惹かれました。ですが同僚に詳しく聞くこともできず、配膳のかたわらその男の周りをうろうろするしかできません。
さり気なく、隙を見て、私はできるだけ男の席の周りにいました。
そのかいあってか、男が隅の席でスマホをいじっているとき、その画面が窓に反射して中身が見えました。
裸の写真です。
それもインターネットで見ているのではなく、SNSのチャット画面に張り付けられたものです。

暗くて乱れていて、きっと乱暴した時の写真に違いありません!
きっと、それを使って脅迫しているんです! ネットに流されたくなければ、股を開け、と。
とは言っても私が男について知れたことはそれくらいで、彼は朝食を食べ終わると帰ってしまいました。
私のアルバイトも、昼になって終わりました。

まかないを食べていかないかという店長の誘いも断り、私は家に帰って自慰しました。
頭と胸がぽおっとして、居ても立っても居られなかったのです。
男に犯され、脅迫され、都合のいいように呼び出され、使用される——。
そしてフェラチオや騎乗位を仕込まれた後、裏の風俗店で働かされるのです。
自分がソープ嬢になって、小汚い中年に奉仕している場面で果てました。
電動歯ブラシの電源を切り、ふと、これは一生に一度のチャンスかもしれないと思います。

私は今まで彼氏を作ったことがありません。
一つは今どきのイケメンがタイプではなかったからで、もう一つは、どうしても誠実さや優しさでのつながりがいいと思えなかったからです。
いつからかはわかりませんが、私は支配と被支配の関係でしか、心地よい人間関係を作ることができません。
親と子、先生と生徒、上司と部下。私が安心して過ごせるのはそういう関係の中だけでした。
対等な関係を作れない。これは、現代社会において、かなりのハンディキャップでしょう。
だから、私は、職場も学校も、慣れてくるにしたがって苦痛になってしまいます。

私の理想の男女関係は、SMの関係です。
ご主人様と奴隷。所有者と所有物。
いつか自分をレイプしてくれる人が現れたら、喜んでセフレになろうとも思いました。
襲われることを目的に、婦女暴行の頻発地域を夜歩きしたこともあります。
でもダメでした。現実はそんなに危険じゃないし、私も心の底ではおびえてか、行きかけた細い夜道を途中で引き返してしまいました。

今日のヤクザは、私のタイプでした。筋肉質で淫乱そうで、気まぐれそうで。
だから、私は何としてでもあの男と性的関係を結ぼうと決心しました。
汚い浮浪者に襲われるのはぞっとしますが、あの男に乱暴されるなら満足です。



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