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【学園物 恋愛小説】

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link 〜02-1

うーん、………
昇降口の掲示板には人だかりが出来ている。新学年のクラス分けだ。
…あった。
今年は5組かぁ…えっと麻衣ちゃんたちは…
!!
うっそぉ。3組…私だけ5組なのぉ!?
何度見直しても変わらない…諦めるしかないんだろうけど、麻衣ちゃんこと冨塚 麻衣、坂田 歩未、…高那 梨果と私、水沢 結華は小学校からの友達だった。…っていっても梨果ちゃんとはあんまり仲良くないんだけど。
麻衣ちゃんとはずっとクラス一緒だったのにぃ。
怨めしく掲示板を見つめる……!!
あっ……梨果ちゃんとは同じだ…。
う〜〜。苦手なんだよなぁ。私が、というよりあっちが嫌ってる…気がするんだよなぁ。
嫌っている理由は何となく、分かる。たぶん…いい加減な所。何事にも執着しなくて、勤しまないとこ。
分かってる………
でも、本気になれないんだよね…
いつも………何か…
足りなくて
何か、しなくてはならない事が、あるような気がして…
そんな物思いに耽っていたから、見落とした。
まぁ、人に言わせれば…いつものこと…なんだろうけど。


始業式と入学式は同じである。面倒が嫌いな私にとっては嬉しいことこの上ない。出来れば、無くなっちゃえばいいのに…。
「…じゃあ、そろそろ体育館行って。」
担任が言う。その声に従って生徒たちはぞろぞろと廊下に出始める。
こんなにお天気がいいのにね……
私は人の波に乗る振りをしてMy 昼寝 Spotに向かう。
第二理科室の窓際に寝っ転がる。ここは本当に日当たりがいい。
式が始まるまであと10分くらいかぁ…いつもながらに思うけどなんで学校って式が好きなんだろう…
ここで私がサボるのもいつものこと。うつら、うつらとしてくる。
「式、始まりますよ?」
!!
びっくりして飛び上がる。
あっ…
あの人、だぁ。
「南野先生?」
先生は首を少し傾げて微笑んだ。
…なぜか胸の奥が、痛んだ。
…何かが込みあがって、きそうだった。
………その、何か、が分からないのだけれど。
「ええ。そうですけど…急いだ方がいいですよ?」
うーん、今から保健室行くのは…ちょっと。
「先生も急いだ方がいいのでは?」
……早く行ってね☆
そんなことを思っていたら
「水沢――!!」
うげっ。ユッキー鋭い!!
私は日ごろ全く使わない運動神経を駆使して、理科室のあの大きい机の影に隠れる。…見つかったら厄介だぁ。
意気込んだ、ユッキーこと北見 有希子先生は教室のドアを勢いよく開けた。
「水沢!!ここにいるのかぁ!!……あら、南野先生、ここにいらしてたんですか。式、始まっちゃいますよ?」
「…式辞を忘れまして…」
ユッキーの剣幕に驚いたのだろう。しかしそれに気にすることなくユッキーは
「あっ南野先生、水沢…3年の女子、見ませんでした?」
!!
私は先生に黙っててと人差し指を唇にあてて言う。
「えっと……見、ません…でした」
「そうですか、分かりました。」
ちらっと私を南野先生が見て
「……どういった生徒なのですか?」
「どういったも何も、サボリ魔です!!今日もさぼられると通算12回に達します!!」
………北見先生ありがと、統計とってくれて。
ちなみにコレに授業分は含まれていない。
もう1回、教室を覗いてみますね。とユッキーは去っていった。


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