夫の憂鬱-2
その夜、家事を手早く片付けた私は子どもたちが宿題に取り組み始めたことを確認すると寝室に入り、Yから生配信されている映像にかじりついた。
パソコン画面には、例のセクシーランジェリーとコルセットに身を包んだゆきが、四つん這いで肛門を拡げる様子が映し出されていた。
「ゆきさん、その下着……その格好……まじやばい、可愛い……!」
「うふふ……今日のYくん、そればっかり……でも嬉しい、買ってよかった」
すでに何度かセックスを済ませたらしく、脚を広げ尻を突き出したゆきの横には使用済みコンドームが二個落ちている。ゆきのことだからどうせ「今日はゆきの中で繋がったまま出してほしい」とかなんとか言ったのだろう。この女にとってコンドームは避妊具ではなく、「中出しごっこ」が楽しめる性玩具のようなものである。
「ゆきさん、この格好でもう一回さっきの言ってよ」
「ぁん……恥ずかしいよ……」
「いいからほら。めちゃくちゃ興奮してる……」
「もう……しょうがないなぁ。えーっと、コホン……。Yくん……お誕生日、おめでとう。今日はゆきの身体……いっぱい食べて…………ふふふ……もうやだぁ……恥ずかしい……」
少し鼻にかかった甘え声で、尻を振ってみせるゆき。
この女はちょっと男の気を惹きたいと思えば、いつでもこうして媚びを売る。同性に嫌われるわけだ。大人になった今でこそベッドの上以外では上手く隠せるようになったが、きっと学生時代は無防備に態度に出ていたのだろう。友人が少なかったというのはありそうな話である。
美魔女の撮影では、妻のそんな秘めた「女」の部分がいつもより多く出ており、同期女子のグループメッセージでは皆一様に普段と違う雰囲気のゆきに驚いていた。女性票が伸び悩むいっぽうで男性票が圧倒的なのは、彼女の一面を的確に反映しているようで、私には可笑しく感じられた。
ともあれゆきのこのあざとさは、男の前では、そしてベッドの上では絶大な威力を発揮するということである。
Yもゆきの目論見にみごとにはまり、大きな尻にむしゃぶりつき匂いを嗅いでいる。
「ぁん! 恥ずかしいよ、Yくん……なんか獣みたい……」
「だって……ゆきさんのせいです……ぁああ! くんくんくん……」
「あのね、Yくん。今日ね、もうひとつプレゼントがあるの。喜んでもらえるかわからないけど……」
「なんですか? すぅーくんくん……」
「Yくん、ゆきのお尻の穴、よく弄ってくれるでしょ?」
「うん……ゆきさんのアナル、大好き……すーはー、すーはー……」
「んん……! あんまり匂い嗅がないで……」
「それでなんなんです? プレゼントって……くんくん……あーたまらない……すぅー」
「も……もしYくんさえよければ……あのね……」
後ろ手に掴んだ尻肉を、両手でぐいと開くゆき。
「今日はこっちにも……挿れてほしいな……」
妻の白く細い指はいつもより少し上、膣ではなく肛門の横に添えられていた。
薄茶色の可憐な窄まりは横長に変形し、周囲に刻まれた細かな皺が引き伸ばされている。
「え……こっちって……まさか……」
動きをとめ、ゆきの肛門を見つめるY。
「ごめんね、変なこと言って。引いちゃうよね……。嫌ならまたおまんこでしよ?」
「ぜ、ぜんぜん引いてないよ! むしろめちゃくちゃ……してみたい……!」
「んふふ……よかった……勇気出して言って。いつもここイジってくれるから、ひょっとしてYくん、こっちでもしたいのかなって……」
「うん、実はずっとしたかった! でも……ゆきさん痛がるかなって我慢してた。大丈夫?」
「Yくんのために頑張る……優しくしてね」
Yにアナルを捧げるため、ゆきはTバックのクロッチに指を引っ掛け横にずらしている。その指、左手の薬指には、私との結婚指輪ではなく、別の指輪が嵌められていた。
ああ、ゆき――。
「ゆきさん、その指輪……」
「ふふふ……Yくん気づくの遅すぎー……」
「八年間、ずっと持っててくれたの?」
「うん。旦那に見つからないようにずっと隠してたんだよ。今日みたいな日のために」
Yの左手薬指にも同じペアの指輪。デートのときは必ず着けている。八年前の一時期、ゆきは密かに「私の妻」であることをやめ、一人の女としてYと恋愛関係にあった。彼らが束の間の愛の証として交換していた「結婚指輪」を、妻は大事に隠し持っていた。
「なんだかドキドキするね。Yくんに……お尻の穴に挿れてもらうなんて……」
「アナルセックス僕も初めてだけどがんばります。あ、ゆきさんは……」
「ゆきも初めてだよ……」
「そうなんだ! 感動です、俺の誕生日のために……。でもこんな小さなところにほんとに入るのかな」
ゆきのアナルに指を振れるY。
「ん……いっぱいほぐしてくれる?」
普段より念入りにアナルの皺をマッサージされるゆき。愛液と唾液を塗りたくられ舌で肛門をかき回される。ペニス挿入に向け、指を一本、二本、そして三本と挿し込まれる。
「うわ、すごい……ゆきさんのアナル、なんでも飲み込んじゃいそう」
「ぁん……んふふ……恥ずかしい……」
「どうですか? ほぐれてますか?」
「ん……大丈夫、だと思う……」
「じゃあそろそろ……挿れてみますね」
「うん……来て……」