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光を求めて
【その他 官能小説】

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ブラックコーヒー-3

「ほら、那知みてごらん」
栄太さんはあたしを鏡の方へ向けた。そこには自分の手を陰部にあて、栄太さんに胸を揉みしだかれている淫らなあたしの姿があった。
「那知ってば、えっちだね。こんなこと家でもしてるの?」
栄太さんの攻め立てる声。あたしを絶頂へと追いやる。息があがり、体中が快感を求め…
あたしは手を早めた。恥ずかしさなんてもうない。あるのは動物の本能だけ…
「ぁっ…あん…ああ…っ」
風呂場に響く喘ぎ声、いやらしい音…だめ…
「ああっっ!」
あたしは栄太さんにもたれかかり、果てた。栄太さんはしっかりあたしを抱き止めてくれる。

あたしは肩で息をしながら栄太さんを振り返る。
「いっちゃったじゃん…もう…」
ところが栄太さんは俯いている。かかる息が熱い。
「ちっくしょー…」
「?栄太さん?大丈夫?」
あたしの声に栄太さんはハッとして顔をあげる。
「あ、あぁ…」
変なの。あたしが再び背を向けた時だった。
「あ…のさ…」
栄太さんがあたしを抱きしめる。腰にあたる固く熱いもの。あ…
「いれたい…」
いつも余裕のある彼の声が切羽詰まっている。
「…いいよ…」
嬉しかった。貴方の声はどこか他人事で、こんな風に言ってくれたことはなくて…あたし…きっと…

栄太さんはあたしに壁に手を付くように言う。そして彼は後ろから貫いた。
「ああっ、あんっ!」
一度果てた体がまた熱を帯び出す。

―ズンッズチュッ―

栄太さんは激しく、強くあたしを突き上げる。
「あっ、あっ、栄太さ…」
あまりの激しさにあたしは喘ぎ悶え、2度目の絶頂へ昇り詰める。
「ダメっ!!栄太さん…っ…あああっ!!」
「ぅっ!那知っっ!!」
ほぼ同時に栄太さんが果てる。
あたし達は床に崩れた。
視界がチカチカする。力がはいらない…

「ごめん…中出ししちまった…」
肩で息をしながら栄太さんがかすれ声で言う。
「今日は平気…。気持ちよかった?」
「…あぁ…」


あたしは先に浴室を出た。バスタオルだけを身につけたまま、ベッドにダイブする。
あんなに乱れた栄太さん初めて見たなー…ふふっ
嬉しさで自然と笑みがこぼれた。

あたし、やっぱり、あの人が…

ふと視線が止まる。サイドテーブルの上。
…あれ…って…栄太さん?と……
あたしは写真立てに飛び付く。胸が苦しい。切ない。息が止まりそう…
急いで服を着るとマンションを飛び出した。
あの写真…栄太さんの隣に女の人がいた。どう見たって彼女…だった。

なのにあたし、あの人を求めた。あたしを抱くのを躊躇ったのもそのせい…

ああ、なんて馬鹿なんだろう。なんて自分勝手…

そう、あたしが勝手に
勝手にあの人を…

苦しい
痛い

あの時のコーヒーのように苦い気持ち
砂糖の代わりになる光も無くなっちゃって
あたしはもうブラックで飲むしかないんだね…

栄太さんが好き…
どうしようもなく、
大好きなの…


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