ご主人さまのため・・・〜記憶〜-2
「ちょっと待って・・んんっ!買い物に行かなきゃ・・川崎さんに頼まれてて・・・んッッ」
「なに?その約束と俺とどっちが大事なわけ?」
はだけたブラウスから覗く純白のブラ・・ほんのり赤く染まった頬・・すべてのしぐさに興奮し、ますます愛撫に力の入る翔太。
しかし、結衣の方は頭の隅に川崎から頼まれたことをしなければならないという思いがあったため、快感に溺れることが出来ない。川崎は翔太といる時は優しい。しかし、翔太がそばにいない時は厳しく、恐い。そして翔太はこのことを知らないし、知るよしもない。今、自分が結衣を抱きしめて、結衣を買い物に行かせないことにより、後々川崎に結衣が厳しく叱られることも考えてなどいない。愛しいご主人様でもこの時ばかりは【気楽でいいな】と思ってしまう。
「んっ!ダメです!!私買い物に行ってきます!」
軽く突き飛ばし、翔太の腕の中から脱出した結衣は強気に翔太に言った。
「ちぇ〜。結衣〜そんなに俺とシたくないのか?」
ちゅっ
「帰ってから・・・」
可愛い笑顔で翔太ノックアウト・・・
納得したのか急に大人しくなった
「では行ってきます!!」
さて、ここまでで【なんで川崎は結衣に買い物に行かせたんだ?】と疑問に思う人もいるだろう。理由は単なる執事がご主人様を愛し過ぎるが故のヤキモチ!二人きりになった翔太と結衣は必ず交わるだろう。それも数回・・・と予想した川崎は、少しでも交わる時間を減らして邪魔しようと考えたのであった。
しかし、この買い物が原因で大事件が・・・。
・・・・−−−−
結衣は川崎に渡されたメモに書いてあるものを求めて、やってきたのだがあいにく夏休みのせいか混雑しており、なかなか目当ての物を買うことができない。
「早く帰りたいのに〜・・・」
「亜希!!!!!!」
「え?」
突然大きな声がしたかと思うと、ぐぃっと腕を引っ張られた。
「亜希!!やっと見つけた!!」
良平だった。空港に着いてすぐさま克紀の家に荷物を置き、ここへ捜しに来たのだ。しかし、1日目で亜希を見つけられるのだから、この2人の絆は相当なものである。
「離して!!あなた誰なんですか?」
「誰って良平だろ?なんで忘れてるんだ?」
「なんでって人違いですよ!!私は結衣です!あなたの捜してるアキさんではありません!」
そういうと結衣は急いでその場を後にした。良平はすぐさま追い掛けようとしたが、2人の周りにいつの間にか出来ていた人だかりのせいで見失ってしまった。
・・・・−−−−
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
息を切らし、早坂家へと走って戻ってきた結衣は、自分の部屋のベットにうつぶせていた。
『なんなんだろう・・・。なんかモヤモヤしてる。』
ガチャ
ドアが開く音がして、翔太が入ってくる。
「結衣、おかえり。」
ベットにうつぶせている結衣の横に寝転がり、顔を覗き込むが、結衣は顔を見せてはくれない。
「結衣?どうしたんだ?」
「あの・・・買い物してたら・・・リョウヘイって人から急に腕掴まれて・・・アキって子に間違われて・・・」
そういって結衣が顔をあげると、見たこともないような顔をした翔太がいた。
悲しみ?驚き?憎しみ?
どうにも言い表せない顔だった。
「あの・・・翔太さ・・んんッッ!!はぁっっ!んっ・・ちょっ・・まってんッッ!」
いきなり無言で、手を掴み上でまとめ、覆いかぶさり、激しいキスをしてきた。