お持ち帰り-2
合コンが終わり店の外に出ると、前の人生で沙織の処女をゲットした田原正志が言った。
「じゃあ、これからカラオケ行く人ー!!」
楽しい合コンで盛り上がったみんなは修と沙織以外は勢い良く手を上げた。
「あれ?高梨と沙織ちゃんは…?」
皆に注目されて恥ずかしくなる。
「俺達は、ちょっと…」
その意味は皆が理解した。
「高梨〜!」
「ハハハ…」
誤魔化す修。
「沙織〜♪」
女友達から冷やかしの言葉を受け顔を真っ赤にして下を向く沙織。親友の仲田春香が修に言う。
「高梨さん、沙織を頼みまーす♪」
「うん。へへへ」
散々冷やかされた後、2人は皆と別れてタクシーを拾った。
「楽しかったねー。」
「ハイ。でも最後は恥ずかしかったです。」
白のニットにカーキ色基調で深緑と茶色と赤のチェック柄の膝上ほどのスカートを履き、生脚サンダルの沙織は俺に体を寄せる。
(マジで美味しそう♪)
既にいやらしい目で見ている。5人目の処女に胸が膨らむ。
「あれ?高梨さんのアパートって、通学路のバスの途中です。」
「そうなの?」
「はい。ここから3個先のバス停で降りるんです。」
「そうなんだ、じゃあこれから寄って来なよ、気軽に。」
「はい♪」
もう既に恋人気分だった。
(処女だからキスするまでじっくり時間かけなきゃな。)
もっと親密になってから頂こうと思った。
タクシーを降り二階建てアパートの角部屋、201号室が修のアパートだ。タクシーを降りるとすぐに手を繋いでもらいドキドキした沙織。生まれて初めて男性の部屋へ入る事に緊張する。
「き、キレイなアパートなんですね。」
「うん、新築で入ったからまだ築2年ちょいぐらいかな。」
「そうなんですね。」
階段を上がり部屋の前に立ち鍵を開ける修。施錠が解かれドアが開くと、更に胸がドキドキした。
「どうぞ。」
「あ、はい…、お邪魔します…」
緊張君に玄関に入る。修も中に入り鍵がかけられると、ますますドキドキしてしまう沙織。サンダルを脱ぎ丁寧に揃えて部屋に入る。
電気がつけられると、左にキッチン、右にトイレと浴室がある。真ん中の短い廊下を進むと8畳ほどのリビングがあった。
「わっ、お洒落なんですねー。散らかってもないし。」
「ハハハ、今日は可愛い子が訪ねてくる予感がして片付けておいたんだ。」
「またまたー♪」
「さ、座って?またビール飲む?」
「あ、私もうギリギリだから…、お水があれば。」
「OK〜。」
修は天然水のペットボトルを渡す。
「ありがとうございます。」
ニコッと笑う沙織を見て
(やっぱ可愛いわー♪こんな可愛い子をみすみす他人に譲るなんて、俺はどんだけ馬鹿だったんだよ!)
前の人生の自分の馬鹿さ加減に怒りさえ覚えた。