御手洗くんの春が来た。その一-1
第一章
御手洗君 新たなる旅立ち
いつも通り狭い家と家の間の狭いかろうじて路地と言える道を歩いていて学校に行く。っと、言っても、俺の通う風奠寺学園(フウテンジがくえん)は、一つの学年にクラスが二十もあり、さらに幼等部から大学院部まである超×20マンモス校である。しかしながら二十クラスもあるのに一組やニ組は主に学校に遊びに来る様な奴らである。当の俺はというと、一番上で、普通に一組から十組までがやっと大学院などでやることを高校でやっている。
っと、自己紹介がまだだったね。俺は御手洗(みたらい) 芳樹(よしき)、クラスの皆は俺の事を性格が変だから未知生物のネッシーに喩えられ、あだ名はヨ☆シー。その名前って、どこかのゲーム会社が出してるゲームのなんかじゃなかったか?
まぁ、どこぞの会社にはすまないけど、一応あだ名だからね〜。
ところで、俺は高校三年だ。先生から大学部に行ってもお前くらいの好奇心なら研究室に入れて貰うように手筈を整えようと言われる程好奇心旺盛で、学校にある文化部全てを全国から注目浴びる様に仕向けた張本人。まぁ、音楽は独自に全国区だから、入らなかったが、(実際は入れて貰えなかった、何せ音楽に関しては鈍感なのだ。)っとまぁいろいろな活躍というか迷惑と言うか…してるので、良く先生達からのお呼びがある。内容は、社会学オリンピックの出場とか色々。
200X年△月◎日。今日もまた先生からお呼びだし。いつもの事だが今回ばかりは、クラスメートのイジリが酷い気がする。職員室は、クラスから三階分階段を降りて右手奥にある。その職員室と階段の間に校長室と言うか学園長室がある。今日の呼び出しは学園長直々らしい。いつも、学園長の呼び出しはろくな事が無い仕事である。っと言っても学級委員でもない俺を呼び出すのは珍しい。
とまぁ考え事をしながら学園長室に向かうと、学園長室の前には隣のクラスのマドンナ美咲 雲雀(ひばり)が居たのは俺としては予想外だった。俺の一番好きな人だからだ。何故、雲雀が選ばれたかは判らなかったが、一応美咲に声をかけた。
芳樹「あっ、どうも。」
雲雀「あっ、芳樹君だ。よろしくね!」
この雲雀の言葉に俺はビックリする。何故なら、俺が色々活躍しても、先生達に口止してあるから、俺の名前はクラスメート以外は知らないはずなのだ。
芳樹「あれっ?俺、君に名前言った事あったかな〜?」
っと俺は言った。すると、雲雀は雲雀「知らないとでも思う?先生達からの評判良いのは私も同じだから、先生に写真と名前見せて貰ったんだ。それから、私…。」雲雀が途中で喋るのを止めた。そして、雲雀は顔を赤らめてうつむいてしまった。
芳樹「ふーん。隣のクラスのマドンナの雲雀さんに漏れるなんて…」雲雀は芳樹の自分の名前を呼ばれた事にうつむきながらも、顔を更に赤らめた。芳樹は自分の言っている事にやっと気づき、雲雀に弁明する。さすがに、恋愛下手な芳樹である。ここぞと言う時に良い言葉が出ない。
そして、10分ほど経ち、学園長室のドアが開いたので二人とも学園長室に入って行った。
学園長から任務と言うか仕事の内容が明らかにされる。
今回の任務は雲雀と一緒に、演劇部を作り、最高のミュージカルを演じる事である。勿論ヒーローとヒロインは勿論芳樹と雲雀である。部長、副部長になり、あと四ヶ月後に控えた学園祭で披露しろとの事らしい。雲雀はそれを聞いて顔を赤らめながら言った。
「私、演劇とかミュージカルとかやった事ないんです。」
すると、学園長が言い返した。
「御手洗君、美咲君にミュージカルとか演劇を教えてあげなさい。君は確か、三年前までミュージカルをやっていたそうだね?」
学園長が言った言葉に、美咲が、俺に話し掛けようとするが、俺は学園長に言い返した。
「ミュージカルは確かにやっていました。しかし、それは、小学生とか、中学生までの子供達のミュージカルですよ。高校生の俺には無理なことです。」しかし、学園長は言う。