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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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裏切りを重ねて (3)-3

 Wがすんなり手を引いてくれたのは少し意外だった。彼も家庭や立場があるのだからよく考えれば当たり前なのかもしれないが、道ならぬ関係の中で追い詰められていたゆきにとっては決死の思い。周囲にバラされること、職場で干されること、家庭をめちゃくちゃにされることまで覚悟したが、すべて杞憂だった。
「今までありがとう。ゆきちゃん」
「ふふふ。最後まで『ゆきちゃん』なんですね」
「ベッドの上ではね」
「私もうそんな歳じゃないです」
「これからはこう呼ぶこともないのかな」
「はい」
 あくまで紳士的なW。自分を手篭めにした男と、ゆきはいつしか普通に会話するようになっていた。二年、いや、それ以上関係を続けていれば多少の情は湧いてしまう。心を殺したまま長期間一緒に過ごすことはできないのだ。過剰順応、心の防衛機制の哀しき成れの果て。
「ゆきちゃんとアナルセックスできなかったのだけが心残りだよ」
 それだけが、ゆきにとっては良かったこと。これ以上、自分を嫌いになりたくなかったから。

 彼からすれば、手懐けた女性部下とやけどしない程度に楽しんでいるだけだったということなのだろう。こんなにきれいに別れられるならもっと早く切り出せばよかった。今となってはもう後の祭り。

  *

 夫は顔を歪め、腰を振り続けている。

「んっ…………ん…………ん…………んん…………ん…………ん…………」

 正直今でも、夫のペニスはさほど気持ちよくない。オーガズムを迎える気配もない。
 声だって喘ぎ声というより吐息とか呻き声といったほうが近い。昔は多少気を使い感じているフリをしてあげたこともあるが、しかし、今はそんなの野暮だと思っている。
 なぜなら「気持ちいい」から。
 ゆきが一番好きなのは、この一番気持ちよくない夫とのセックス。

「ねぇパパ……チュゥして……」
「んん……チュ……チュウ……」
「ん、んん……チュウ……もっと……」
「可愛い、ゆき……チュウ……チュ……チュ……」
「んん……ん……嬉しい……もっと言って……チュ……チュウ……」
「可愛いよ、ゆき。美人で可愛くてエッチで……ゆきのことが世界で一番好き……」
「ん……嬉しい……ゆきが好きなのもパパだけだよ……愛してます……パパとのエッチするの楽しい、幸せ……ん、んん……」
「ゆき……ぁ、イク……」
「ん、んん……」
「うっ……!」
「……んん……」

 イクと言ってからいいよと答える間もなく射精して果てた夫。
 ありがとうのキス。気持ちよかったのキス。幸せですのキス。
 それからも私たちは裸で抱き合い、キスをして、おしゃべりして、満足して眠りについた。

  *


 ガチャリ――。

 Zくんと一緒にトレーニング室から出ると、夫が「おつかれさんー」と声をかけてくれた。
 腰、というかお尻にZくんの手が添えられているのに気が付き、慌てて振り払う。
 夫の顔を見ると、心が暖かなものに包まれる。私のことを大好きでいてくれる人、私もこの人が大好き。心が弾む。

 Zくんが夫婦でシャワー浴びてくればと言ってくれた。先に浴びたら悪いと思ったけど、パパをこれ以上待たせてもいけないし、お言葉に甘えよう。
 脱衣所でじろじろ私の身体を見てくるパパ。Zくんとエッチしてたのはバレてるかな。バレてるよね、多分。それ以上のことは、黙っていれば大丈夫なはず。でもやっぱり恥ずかしい。
 タンクトップを、スポーツブラを、レギンスを撫で回し匂いを嗅いでくる。汗臭いからあんまり嗅がないでほしいな。でも私の身体のラインをなぞり、褒めてくれて、くんくん鼻を鳴らしおちんちんを大きくしている夫が、とっても可愛い。
 最近余分なお肉もとれたし、ゆきの身体、綺麗になったでしょ? もっと見て。もっと褒めて。

 そういえばパパに私のトレーニングウェア姿を直接見てもらうのは初めてかも。どう? なかなか可愛いでしょ? いちおう男の人に見せるものだから、可愛いデザイン選んじゃった。
 美魔女のネット投票がスタートしてから、運営がピンスタグラムを更新しろ更新しろとうるさいので、ときどきトレーニング姿やカフェでお茶しているところをアップしている。たちまち「いいね」がつき、投票数が増えていく。ファイナルが終わった今、ちょっとしたインフルエンサーみたいなフォロワー数になってしまったのには戸惑ってしまうけど。

 ぁん! そんな腋の下の匂い嗅がないで。汗染みもできてるし恥ずかしい。おっぱいとお尻は――うーん、やっぱり恥ずかしいけど、でもシェイプアップした成果も見てほしいから、少しなら触っていいよ。パツンパツンでちょっとエッチでしょ?
 嬉しいな、パパが興奮してくれてる。でもね、今はそこまでだよ。それ以上はだめだから。

「んん……ちょっと待って、パパ。ここ脱衣所だから。こんなところでやめよ……」
「トレーニング室はいいのに脱衣所はだめなの?」
 いじわるな笑みを浮かべてる。やっぱりパパ、気づいてた。
「だってZくんも待ってくれてるし」
「俺だってお前らのセックス終わるの、ずっと待ってたんですけど」
「ぅう……そ、それは……でも……」
 でも今は絶対だめ。だってレギンスとショーツ脱がされたら、Zくんに出された精子がお尻の穴から漏れてきちゃう。
「とにかく今はだめ! 後にしよ? ね? まずはシャワー浴びて」
 不満そうな夫の服を脱がしバスルームへ押し込む。ちっちゃなおちんちんがピンと上を向いている。やっぱり可愛いな、この人。

 パタリとしめられたバスルームの扉。シャワーの音、楽しげな会話の声。
 やがて夫婦の、仲睦まじい営みの音が聞こえてきた。


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