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re SEXLIFE
【ハーレム 官能小説】

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両想い?-11

「応援されるって、どれだけの力を貰えるか、物凄く分かったの。だから私なんかの応援がどれだけの力になるか分からないけど、私、高梨くんの試合観に行って応援するね。」
「ほ、ホント!?ありがとう。嬉しい。」
「うん。」
「それが言いたくて。本当に昨日はありがとう。最後の大会、一生忘れられないいい思い出になった。今度は高梨くんを一生懸命応援するからね!じゃ…」
恭子は照れ臭そうに走っていき、前を歩く弥生らに合流した。何やら2人な冷やかされているようだ。そしてチラッと見て修に向けてニコッと笑った。
(今瀬ぇ…やっぱ好きだー。)
この時の気持ちは極めて純粋な愛情であった。
「今瀬の為にも絶対に全国大会行ってやる!!」
決意を強める修であった。

今の人生、前の人生の時よりも何倍も野球に真剣に取り組んだ。その成果は如実で、高校のスカウトがわざわざ試合を観に来る事もあったし、実際お誘いのような話もあった。偉そうにスカウトされたと言われる程ではないが、かなりの注目を集めていた。全国に行けばもっと注目されるだろう。2度目の人生はセックスへの後悔を回収するのが目的だったが、純粋な夢であったプロ野球選手になると言う事をもしかしたら実現出来るかも知れない、そう思い始めていた。

大会は始まり、とうとう決勝まで来た。野球部の応援は全生徒参加になっており、勿論恭子は全試合で修を応援して来た。その恭子の声は修に大きなパワーを与えた。さすがスカウトを呼べるだけのピッチングだと多くの人に思わせた。

9回の裏、2-1でリードしている。しかし固くなったチームメイトの連続エラーでツーアウト2、3塁。とにかく後1人打ち取れば優勝だ。修は渾身のストレートを投げる。バッターは合わせるのが精一杯だった。力なく上空に舞い上がった打球は弱々しくセンター方向へ飛び、センターも構えに入った。
(勝った…)
安堵した修は両膝に手を当て、疲れ切った体を支える。そして大きな歓声が上がった。優勝だ、とうとうやった!と思い顔を上げると、あるべき光景はそこにはなかった。ホームベース方向を見ると歓喜する相手チームの姿が見えた。
「えっ??」
一瞬何が起こったのか分からなかった。センターの凡フライでゲームセットのはずだ。みんなが自分の所に集まり歓喜の輪が出来るはずだった。だがチームメイトは地面にガックリと膝をつき泣いていた。
(負けたのか…?)
なぜ負けたのか分からないし、分かろうとしないまま整列し挨拶を終え観客席の前に整列し、泣きながら礼をした。スタンドに恭子の姿を見つけた。恭子は泣きながら拍手を送っていた。修は負けた事よりも、恭子を泣かせてしまった事に対して胸が痛かった。

挨拶を終えベンチに戻るチームメイトはまだ泣いていた。しかし何故か修は全く泣けなかった。最後、相手を打ち取り勝った…、どこをどう考えても負ける要素がなく、負けた現実に辿り着かなかったからだ。センターを守っていた小倉が自分やチームメイトにいつまでも泣きながら詫びていた。修は小倉を責める気持ちにはなれなかった。ただ一つだけ思った。
(終わったんだな)
と。どこか客観的に見ている自分がいた。


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