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女子中学生 辱めの部室
【学園物 官能小説】

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あの昼下がりに2人になにがあったのか-1

 あれだけのことがあった後の、土曜日の昼下がり。
 夏の午後3時過ぎは、まだ暑さの盛りだ。だが時折綿雲が流れて日差しを遮ってくれる。
 みさきは、いまだ茫然とした心持ちで、学校を後にした。
 恥辱の体験から相次いで起こっためくるめく出来事を、彼女はまだ受け止めきれていない。

 本当にこれで、私は助かったの? 解放されたの?

 いじめの首謀者だった赤倉瑞華を取り巻きたちが次々と裏切り、見限った。恵美はすっかりみさきの味方になってくれたし、公江も朝菜も謝罪し、もう酷いことはしないと言ってくれた。
 瑞華は浩介にも見捨てられ、すべてを失って崩れ落ち、あの部室に一人残された。ひょっとしたら、もう立ち直れないかもしれない。
 そうあってほしいとみさきは願うばかりだった。心優しい彼女も、瑞華に対しては一抹の同情も抱くことができなかった。
 これで、本当にすべて終わったのだろうか。みさきはまだ実感できず、人心地がついていない。

 一緒に校門を出た恵美とは、あの部室を後にしたきり、互いに言葉も交わさぬままだった。
「じゃあ、ね……」
 恵美もまたこれまでのことで渦巻く思いがあった。それで、別れを告げる言葉も、心持ち震え気味だった。

 そうして家へ向けて路地に入ろうとする恵美を見て、みさきは呼び止めた。
「あの……恵美ちゃん」
 まだ慣れない名前呼びに、声も遠慮がちだ。
「もう少し……一緒にいて、ダメ?」
 このまま一人きりになるのが、彼女には心細くてならなかったのだ。そのまま今までの忌まわしい思い出の数々が押し寄せてきて、打ちひしがれてしまうような気がしてならない。
「じゃあ、うちまで、来る?」
「ええ」

 こうしてみさきは、恵美の家まで招かれた。住宅街のただ中にある茶色の屋根の一戸建てだった。
「お邪魔……いたします」
 ドアを開けた恵美に続いて中に入ると、みさきは礼儀正しく言う。
 みさきは新東中に転校してから半年強で、友達の家に上がったことは一度もなかった。そこまで親しい関係を築けずにいたからだ。前の瀬山中時代以来、久しぶりのことなのでちょっと緊張もする。

「いいよ、そんなふうにしなくても。今は私しかいないから」
 恵美は両親と姉との4人家族だが、今日は休みの土曜だが両親ともそれぞれの用事で出かけていて夕食時までは帰らない。姉は大学生でもう実家を離れているので、今は他に誰もいないという。

 玄関から右手に階段があって、恵美の自室は2階の上がって正面にある。みさきはそこに通された。
「ちょっと待ってて」
 エアコンのスイッチを入れると、そう言って恵美は部屋を出て、階段を降りていった。

 みさきは、ふと部屋にあるものを見回す。友達の部屋を見ることだって久しぶりだ。名前は知らないが、彼女の好きなバンドのポスターが貼られていたり、これがお気に入りなのか、大きなアリクイとアルマジロのぬいぐるみがベッドの上に置かれていたりする。本棚は大き目で、漫画本も多かったが他にもいろんなジャンルの活字本がある。みさき自身と同様、読書家であることがうかがわれた。

 そうしているうちに、1階のキッチンに降りた恵美は、氷入りの麦茶のグラス2つと、小袋入りのクッキーを乗せたお盆を運んできた。
 それを置いたローテーブルを挟んで、ベッドと平行に向き合う2人。
「よかったら」
 そう言われたが、先に恵美がグラスを手にするのを待って、みさきもグラスを取り、麦茶を口にする。気がつけばさっきまでのめくるめく出来事に帰路の夏の暑さが加わって、喉はカラカラだった。
 喉が潤いを取り戻したとき、安心できる場所にきたからこそかえって、今日のことがみさきの脳裏によみがえってきた。あの辱めの数々が、いやおうなく。


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