あの昼下がりに2人になにがあったのか-3
それでも恵美には、まだある負い目があった。脅されて巻き込まれた結果とはいえ、今日も、その前の予行の日も、みさきの裸に剥かれた姿を目の当たりにしてしまっていることだ。一糸まとわぬからだで彼女の恥じらう姿は、見るも痛々しかった。清純で繊細なみさきのことだ。恵美のこともまた、自身の裸身を目で辱めた相手として、忌まわしく思ったりはしないのか……それが気にかかるところだった。
「ねえ、みさきちゃん……」
恵美は一度みさきから身を離すと、立ち上がった。
何が始まるのかと訝るみさきの前で、恵美は自分のスカートの中に手を入れ、淡いクリーム色の下着をおろした。
それを足先から抜き取り、丁寧に畳んで床に置くと、そばのベッドに腰を下ろし、スカートをたくし上げる。
「え、恵美ちゃん?」
戸惑うみさきの目の前で、恵美の下腹部が晒される。
そこには、まったく茂みがなかった。さながら童女のように、一本の縦筋が走っているだけだった。
つまり、今のみさきと全く同じ佇まいだ。
そのまま、恵美は恥ずかしげに俯きながら表白する。
「私も、瑞華にこんなふうにされたの。みさきちゃんのことを擁護したら、それだけで怒り狂ったあいつが……」
あの時みさきは瑞華とのやりとりを耳に挟んで、ひょっとして恵美もまた、そうされたのではないかと思い当たっていた。まさにその通りだった。
「私もみさきちゃんのあんな格好見ちゃったんだから。私だってこうしないと済まない気がしたの……」
恵美からすると、それは自身に与えた罰のつもりだった。それで罪滅ぼしになるかどうかはわからないが、みさきへの負い目から、自分でも恥ずかしい目を彼女の前で忍ばなければならない。そう考えたのだ。
「いいよ、そんなこと……」
さすがにみさきも戸惑い、あらわになった恵美の秘部を正視できなかった。だが恵美は続ける。
「今の私のここは、みさきちゃんと同じ」
恵美は恥ずかしさをかみしめつつ、自身の秘裂を指さした。
みさきは、自身も恥ずかしくなって顔を赤らめた。こんなふうに他人の性器を見せられること自体がそうなのか、それともいまだ無毛のままの自分のそれが思い起こされて、恥じらいを覚えるのか。
「あいつらはバカにしてたけど、みさきちゃんは、それでとっても可愛いから」
そんなみさきの染まった顔を見つめつつ、恵美は優しく言葉をかけた。
「ほ、ほんとに……?」
みさきはまだどぎまぎした様子だ。
「うん、すごいピュアって感じ」
実際はみさきも、瑞華たちのいじめで強制脱毛されたのだ。その辱めを受けてからほぼ10日が過ぎた今でも、いまだに芽を出してはいない。
とはいえもともと限りなく無毛に近い薄さだったのも事実だ。その幼さを瑞華たちにひどく蔑まれたのだ。
だが、それを恵美に可愛いと言ってもらえると、なんだかこのままでもいいような気がしてきた。
そして今晒されている恵美の翳りのない秘部も、可愛く思えてくる。
「恵美ちゃんだって、それで可愛いよ……」
恵美のそこを見つめながら、みさきもまた、意を決してスカートの中に手を入れた。純白のパンティをおろし、スカートをたくしあげて無毛の秘裂を露わにする。
それは、2人だけの秘密を共有するひとときだった。
しばし互いの無垢なスリットを見つめあう時間が続いた。
「みさきちゃん……」
「恵美ちゃん……」
やがていつともなく、2人の乙女は互いの頬を、そして唇を重ねるとともに。秘部の唇もまた、重ね合うのだった。
今日のことは、クラスのみんなには内緒だよ。