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[姦獣共の戯れ]
【鬼畜 官能小説】

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純粋な願い-4



スタッフ達に混じって撮影の準備に忙しい風花を視界に捉えつつ、男共は不自然にならぬよう何食わぬ顔をして女子高生達に近づく。
既に作品として消費≠ウれた池野夏美を懸命に探す友人を餌食としたDVD……商品の《売り》としては悪くはないだろう。


「私たち皆んなで探してます。宜しくお願いします」


夏美を拉致・監禁・強姦・商品化した張本人とも知らず、その少女はビラを手渡してきた。
至近距離での品定めと、商品PRの為のビラ収得を目的とした男共の《目》の危うさに、少女は全く気づきもしない。


(……悪くはねえな。目力もあるし、虐めてやりてえ顔してやがるぜえ)


実に端正な顔つきをしている。
パッチリとした二重瞼の瞳はつり目気味で、高い鼻や、ややポッテリとした唇は大人びて見える。
スレンダーな身体は胸の膨らみも小さく、それ故に腰回りの発育具合がやけに目立っていた。

10代の頃のかずさは、きっとこうだったに違いない……そう思わせるほどの凛々しさが、この少女にはあった。


「担任の先生にお越し頂きました。池野さんの捜索に協力したいというクラスメイトの熱意を汲み取り……」

『ッッッ!』


可愛らしい風花の声に振り向いた鈴木の視線は、新たに現れた《彼女》に釘付けになった。

陽の光が当たる髪は明るめのブラウンに輝き、プックリした涙袋が特徴的な瞳はクリッとしていながらも切れ長で美しい。
ツンとした鼻、口角の上がった薄い唇から覗く真っ白な前歯。
いま着ているグレーのスーツよりも制服の方が似合いそうな彼女は、信じられないがここに並んでいる女子高生達の担任教師のようだ。

いやいや、どう見ても10代の《美少女》ではないか……。
男共は嬉しすぎる混乱を鎮めるべく、全身を耳にして二人のやり取りに集中していた。


「皆さまのご協力のおかげで、少しずつですが情報は集まってきています。本当に感謝の気持ちで……」


バラバラに散りながら行き交う通行人に成りすます男共の、その股間はふっくらと膨れていた。

川上雪絵から始まった成功体験が、ターゲット捜索=通勤電車内という先入観を作り上げていたのだと、男共は気づかされた。
今更ながら、《メス牧場》が持つポテンシャルの高さを思い知らされる。
少しだけ視点を変えるだけで、こんなにも美味そうな逸材を見つけられるのだから。

一連の失踪事件を追う記者魂溢れる風花。
失踪した夏美を必死に探す美人教師と美少女なクラスメイト。

あまり売り上げの良くなかった夏美のDVDも、あの関係者≠食材とした《続編》を作ったら、また盛り返すかもしれない……。


「池野さんのご両親も、いつものようにいらしております……」

「夏美が帰ってくる事だけを私たちは願っております……どうか、どうか皆さまのお力添えで……」


心痛を察するに余りある両親の訴えを聞いても、男共の心は傷まない。
姦獣共の一致団結の為だけに行き当たりばったりで狩ったメスがどうのこうのと、そんなコトは知った事ではないのだ。


『……俺と伊藤と佐藤で風花を尾行する。残りのヤツらであの教師をつけろ』


優先順位は風花・教師・生徒。

先に教師や生徒を拉致したら、間違いなく風花は厳戒態勢に入るだろう。
警戒心が高まった記者を狩るのは難易度も高いものになるだろうし、何より報道記者≠ニいう存在そのものが男共にとって危険だ。
教師と生徒は無害な存在であり、例え風花が拉致されたとしても、その事実を知るまでまでにはかなりの日数を要するだろう。

いつだって団結している男共は、集団でのつけ狙いにならぬように付かず離れずの距離を保ちながら、それぞれに尾行を始めた。
先ずは情報収集から……獲物の行動や住処を知ることは、狩りを成功させるのに必須なのだから。

風花はあのテレビ局に戻り、担任教師は女子高生達をミニバンに乗せて高校へと戻った。
あとは一人になる時を狙い、好機を待つのみ……。


某テレビ局内。
自分が〈狙われる存在〉になった事を知る由もない風花は、いつもと変わらぬ日常、忙しくもやり甲斐のある仕事に没頭していた。


『古芝さん、レポート出来た?』

「あと少しで纏まります」


たくさんのスタッフでごった返すフロア。
風花は今日まで調べておいた明日香と涼花の失踪事件の情報を書き込み、そして私見を書き添えて編集記者の日下部という男に手渡した。


『ん〜……確かに防犯カメラが増えたから情報精度は上がってるよな。でも情報提供者は減少傾向……』

「取材しててそう感じるんです。明日香さん達は街中で拐われたんですよ?なのに一人も目撃者が現れないなんて……」


防犯カメラの死角が、二人の捜査の進展の障害になっている。
池野夏美が消えた場所も、防犯カメラが無い路地裏。
かずさと由芽の場合は、最寄駅からアパートまでの間の道の何処か……としか分かっていなかった。

他人に関心がない人が増えたのだろうが、それにしても何れの事件でも、ただの一人も出てこないのは、なんとも哀しい。


『でも「もっと防犯カメラを増やせば」って私見はどうかな?『監視社会になる』ってアレルギーを起こす人だって少なからず居るだろうし。それに日本の監視カメラ台数はドイツと並ぶ500万台だ。これ以上は費用対効果……』

「そこは誤解されてます。私は適材適所に配置し直した方がいいという意見です」


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