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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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婚外恋愛 (1) / 番外編:美魔女グランプリ・前夜(募集要項)-1

「……ん……ん……ん……ん……ぁ!」

 ゆきが腰を上下に振りながら顔を歪めている。

「ん、ふんっ……んぅ……んん!」

 眉根を寄せ、息を切らせ喘ぎながらそれでも腰の上下動をやめようとしない。揺れる乳房、上気した頬、滴る汗。乱れたおくれ毛が額やうなじにぺたりと張り付いている。

「っくぅ……! ん……! ん……!」

 下半身の肉がぷるぷる震える。限界が近い。セクシーな吐息にZの声が重なる。

「もっと……そのまま……そうすごくいい……ゆきさん!」
「……んふっ……んんっ……んぁっ……んふっ……んぁっ……んふぅ……っ!」
「ゆきさんまだ……もっと……!」
「あぁぁあああ……!」

 密室の中、汗だくの男女が同じ行為を繰り返している。夫の私はなすすべなく見ていることしかできない。Zの趣味なのか、風俗店よろしくアップテンポな曲が流れているのがまるで二人の激しい運動を応援し、無力な私をあざけるようで癪に障る。

「んぅ……!」
「ゆきさんすごい綺麗……! そう、もっと……!」
「ぁあああ! んふ、ぅ……!」
 女性歌手のソウルフルな声が一段と高まるのにあわせ、クライマックスへ向かう二人。
「ラストスパート……! ゆきさん、一緒に……!」
「んふぅ! んふぅ! ぁはぅ! んふぅ! あぁっ!」
「ぁあ、いい! そのまま最後まで……! 一緒に……! あぁあああ!」
「んんんんんぁあああ!」

 二人が崩れ落ちるのと同時に、BGMが止んだ。
 静寂の中、男女の荒い息遣いだけが響く。目を潤ませZを見つめる妻。微笑もうとしたのか口角を上げたところで涎が垂れ、照れ笑いしながら慌てて手で拭う。

「ははは……ゆきさん……すごかった……! はぁ……はぁ……はぁ……」
「ぁはは……涎垂れちゃった……はぁ……はぁ……はぁ……」
「いいじゃん、色っぽいし……はぁ……はぁ……」
「ゃだもう……ぁあだめ……もう立てない……見て、がくがく震えてる……はぁ……はぁ……はぁ……」
「シャワーもありますからね。あとで浴びましょう」
「うん、ありがと…………はぁ…………はぁ…………」
 視線を絡ませる二人。
「どうします? シャワーの前に……もう一回……?」
「えぇ、こんなすぐに? できるかな……?」
「ゆきさんなら大丈夫だって。ほら、今度はゆきさん仰向けになって」
「こう?」
「そう。じゃあ脚を上げて……開いて……あぁ、すごく綺麗です……行きますよ……」
「うん……ん、んん……っく……!」
「おいおい、お前らまた始めるのか? 終わったばかりだぞ」

 これからというところで急に会話に割り込んできた私の方へ、同時に振り返る二人。あらためて見ると呆れるほどの美男美女。お似合いのカップル過ぎて、夫の私はいたたまれない気持ちになる。

「すみません、Oさん。ゆきさんまだしたいって」
「まったく。俺はリビングで休んでるからな」
「えーー? パパはもうおしまい?」
「こっちはとっくに体力切れだよ。あとは二人で楽しんで」
「じゃ、もう少し奥さんお借りしますねー」
「あーあ、パパも一緒にしたかったなー」
「まあしょうがないですよ」
「だね」
「始めよっか、ゆきさん」
「うん。不束者(ふつつかもの)ですが、よろしくおねがいします」

 ふざけたことを言って笑うゆき。「情けない夫」と「たくましいZ」の好対照がいっそう際立つひとことに立つ瀬がない。そういえばYと不倫したときも同じことを言っていた。動揺を悟られぬうちに部屋を出ようと立ち上がった瞬間、足の痺れでよろめいてコケた。
「ってぇ!」
 ゆきとZの笑い声を背中で聞きながら、私は逃げだすようにリビングのソファに転がり込んだ。

 背後の部屋から、今度はゆったりロマンティックな曲が流れている。甘いメロディに重なるように、やがてゆきの深い吐息が聞こえてきた。

  *

 今日は夫婦そろってZ宅に呼ばれている。パーソナルトレーナーとして独立を果たしたZの開業祝い、そしてゆきの美魔女グランプリ入賞祝いのダブル祝賀会である。

 個人事業主となったZは、まずまず順調なスタートを切ったようだ。ダイエットや体力維持目的のライト層から、本格的に肉体をビルドアップしたい人まで、今までのコネクションを駆使しクライアントを獲得している。彼の性格なら、その辺りの心配はないのだろう。一人暮らしには広すぎると思われたこの自宅マンションは仕事兼用で、昨年私たち夫婦が泊まった和室――ゆきは結局Zの寝室に抱かれにいったきり戻ってこなかったが――もトレーニング室に作り変えられていた。

 その部屋で今、ゆきとZがトレーニングに励んでいる。

 締め忘れた扉からはゆきの苦しそうな息遣いが聞こえてくる。仰向けでゆっくり脚を浮かせて開くという、一見地味だが想像以上にきついエクササイズをしているのだ。さきほどのうつ伏せで腰を上下させる運動もしかり、現在Zから指導を受けているメニューは特別な器具も不要で初心者にも取り組みやすいという触れ込みながら、なかなかにハードである。
 Zの指導を見ていると、トレーナーは単にやり方を教えるだけでなく、一緒に運動しながら褒めて励ますのが大事なのだとよくわかる。そうやって限界を超え肉体をいじめ抜いた先に、均整の取れた美しい肉体が得られる。

「ん……っ! ぅふん……! ん……っ! ぁふ……っ!」
「もっと脚開いて! お腹に力入れて!」
「ぁん……っ! んくぅ……っ! はぅ……っ!」


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