G覚悟-1
7時丁度に健司のマンションを訪ねる。
「おお〜本当に来てくれたんだ。」満面の笑みで涼子を迎える。
大きなバッグからエプロンを取り出しキッチンに立つ。
「まるで夫婦のようだな。今日は涼ちゃんの事を妻だと思う事にするよ。」
「そんな事言われたら明日から専務と秘書に戻れなくなるかもよ。」
「専務秘書の涼ちゃんより人妻の涼ちゃんの方が僕は好きだな。」
そんな他愛もない会話でも今夜の営みの激しさが想像され涼子を刺激する。
ワインを飲みながらの楽しい会話もはずむ。
「君が我が社のマドンナだった頃よくモテただろ?
僕以外にも言い寄ってくる男は沢山いたんじゃないの?」
「そんな事はもう忘れましたわ。それにその頃の私にはあの人しか見えなかったの。
今思うと一途で初心だったと思うわ。」
「そんな時にプロポーズした僕は最悪のタイミングだったね。
でも今日涼ちゃんが来てくれたんだからもうそんな事はどうでもいいよ。」
言いながら向かいのソファーから隣りへ移動する。独身上司の為に夜食を作りに来たという大義名分はあるが
朝までベッドを共にするのは既定の事実だし涼子もそのつもりで来ている。
だから健司の左手が腰に回されても逃げるふりだけでそれを受け入れる。
「で、正木君の会社の方はどうなの?君の為になるのなら少し応援してもいいと思っているんだ。」
「ありがとう。でも離れて暮らしているし夫も自分の恥を私には話したくないようなの。よく分からないわ。」
「それでも会った時の様子で分かるだろう?」
「それが先日賞与を頂いた日に会ったのが別居後初めての面会なの。」
「ふーん。じゃ君はその間ずっと独り身だったんだ。寂しかっただろう?」
あの夜の激しい涼子を思い出しながら言っているのは明らかだ。
顔を少し赤らめながら「でも専務秘書の仕事に打ち込んでいたから気持ちは紛れたわ。」
「それじゃプライベートな時間も気持ちを紛らわせて上げたいな」ブラウスのボタンへ手が伸びる。
涼子はすっと立ち上がり寝室へ向かう。
健司はワインクーラーと新しいグラスをトレーに乗せて後を追う。
寝室に入って驚く。
薄暗い寝室のベッド脇で涼子は自らブラウスとスカートを脱ぎスリップを落している。
健司はトレーをサイドテーブルに置き大急ぎで脱ぎ始める。
ワインを飲みながらまったりとした時間を過ごしながら少しづつ燃え上がるつもりだった。
涼子の発情は健司が思っている先に行っていた。
歩調を合わせる様に全裸で抱き合いベッドに倒れ込む。
涼子は健司の顔面をまたぎ完全勃起をくわえる。
男は90cm以上あるヒップの豊満な尻肉をこじ開け深い谷間に舌をはわせる。
驚いた事にその舌に反応したのだ。
指も使い軽く2〜3度逝かせる。
銀座のホステスに教えられた「焦らし遊び」に興じる。
セックスの経験も浅い素人の人妻に耐えれるはずはなかった。
「あ〜もう我慢できないわ。お願いだから意地悪しないで。」
「そうか逝きたいのか?・・・逝きたいのか?」
真っ赤な顔で首を縦に振る。
騎乗位の体位が出来るように上向きに寝転ぶ。
ためらうことなく自らハメて男にまたがる。
ゆっくりしたグラインドは一気に加速し巨尻が回転する。
やがて杭打ちピストンに移行し肉のぶつかる音がパンパンと響く。
快感の呻きと甘い吐息が激しくなりその時が近づくにつれて男の膝がたち始める。
ゆっくりとした動きなので女は気が付かない。
「あ〜」女の口から歓喜の泣き声が漏れた瞬間、男の膝は完全に断ち二人の性器に隙間ができる。
男は「焦らし遊び」を継続していたのだ。
「もーう。」またがったまま後ろ手に男の膝を伸ばす。
「涼子の怒った顔すごくいい。でも女を逝かすのは男だって分かっただろ?」
再びゆっくりと尻が回転し始める。
昇り詰めながら腰の回転が上下動に変わった頃から男の膝が立ち始める。
パンパンというピストンの音を速めながら「あ〜駄目よ。膝を伸ばして。」と叫ぶ。
「よし。引導を渡してやろう。その代わり俺の妻になるんだぞ。」
(まさかセックスの最中にプロポーズなどするわけがない。きっと焦らし遊びの延長よ。)
「あ〜あなた、わかったわ。お願いよ。もう我慢できない。」
再三焦らされた後の絶頂は涼子自身初めて感じる恐ろしいほどの気持ち良さだった。
その膣がねじれるほどの収縮に男の怒張も耐えられなかった。
冗談交じりとはいえプロポーズを受けた手前、男の中出しを咎める訳にもいかずそのままピロートークを楽しむ。
しばらくしてゆっくりと二回戦へと突入する。
先程あれだけの快感を貪りながら二回戦になっても気持ち良さは衰えない。
翌朝は涼子が先に出社し健司が追う様に専務室へ入る。
翌日もその翌日も涼子は健司のマンションから出社する。
<終>