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ショールーム・立てこもり
【鬼畜 官能小説】

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押し入る-1

 「何か外が騒がしいな」
 複数台のパトカーのサイレンが鳴り響く。
「事件かしら?」
 入社二年目の田ノ上茜(たのうえ あかね)が不安そうに窓の外を眺めた。丸顔に、ザックリとカットしたミディアムヘアをポニーテールに束ねている。程よくふっくらとした体型で、豊かな胸の膨らみが見てとれる。
 茜はおっとりとした性格で、時々つまらないミスをする。そんな失敗も笑って許せるような、不思議な魅力を持った女性だった。

「ユニクロの前にパトカーがッ・・・」
 そう叫んだのは勝ち気で才気煥発な一ノ瀬玲奈(いちのせ れな)。ボーイッシュな顔立ちで、ショートボブが似合う彼女は茜と同期の23歳。
 テニスや水泳で鍛えた総身は肩幅が広く、それでいてウエストはキュッと締まり、美しい曲線美をえがいていた。同い年の茜と何かと比較されることが多いが、美人度ではどちらも甲乙つけがたい。

 所長の吉田を囲むように、6人のコーディネーターが16号へ目を向けていた。口を開くものは誰もいない。開け放された大きな窓から入り込む風が女たちの髪を撫で、甘い香りが漂う。
 
 赤色灯を点滅させたパトカーが道路を塞ぎ、反対側からはサイレンの咆哮がますます近づく。

「アッ!」「ウソッ!」「エエッ!」
 車体を軋ませながら通行人を次々と跳ね飛ばすワゴン車に、女たちが大声をあげた。
 凄まじい相貌の中年男が三人、縁石に乗り上げて動けなくなった車から飛び降りた。
「そこだッ!そこに逃げ込めッ!」
 わめき散らしながら指示を出すこの男がリーダーなのか、ガッチリとした体型に作業服はどこから見ても職人風だ。だが健康そうな浅黒い肌は、よく見ると病的な土色をしている。

 バーン!!
 耳をつんざく銃声が鳴り響き、甲高い女たちの悲鳴が木霊する。
「みんな動くなッ!」
「言うとおりにしねえとぶっ殺すぞッ!」
 拳銃が二丁にナイフが一本。それらを振り回しながら、冴えない中年男がまくし立てる。
「何だ君たちはッ!」
 所長の吉田だった。青ざめて立ち尽くしている女性社員を下がらせると、カウンターを回り込んで三人組と対峙した。
「君たちを入れるわけにはいかない。私には部下を守る義務があるッ」
 それ以上の侵入は許さんとばかりに、両手を大きく広げて威圧する吉田に、
 バーン!!
 リーダー格元山(もとやま)の拳銃が火を噴き、吉田の巨躯が崩れ落ちた。
 映画のワンシーンのような出来事に、六人の女たちは声も上げられない。ただ恐怖に顔を引きつらせ、美しい肢体をすくめているだけだ。




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