プロローグ-1
海翔・・・、海翔、起きなさい・・・いつまで寝てるのよぉ? ぅん、もー、信じらんないっ!
ん、ねーちゃんの声だ?
え? ねーちゃん?? そんなものウチにいるはずないじゃん・・・。
とうの昔に嫁いで今は3人の子持ちになって北海道に行っちゃってるし。
「海翔!」
バシッと頭をたたかれる。乱暴なんだよな、女のくせしてねーちゃんは・・・。
目を開けると、目の前にパジャマ姿のねーちゃんがいる?!
それも、中学生くらいだ。
えっ? この女の子誰だぁ?
「早く起きなさいよぉ。今日はとくに寝起きが悪いんだから。毎朝起こすのも大変なんだぞぉ。早くしてよね、学校遅れるよ!」
そう言い残すとその子は部屋を出て行った。
なんなんだ、こりゃ??
ベッド柄起き上がる。あれ、これオレの部屋じゃん・・・って小学生のころ住んでた板橋区の家。なんで、こんなところで寝てるんだ?? と思ったところで異変に気が付いた。自分の身体が子どもになってるのだ。そう、まるで小学生みたいなサイズ。着ているのも、小学生のころ着ていたパジャマだ。
まだ、夢見てんのかなぁ??
古典的なやり方だが、頬をつねってみる。
「イテッ」
頬を両手で何度かたたいてみる。やっぱ痛いじゃん。夢にしてはリアルすぎる。
「早くしろっつーのっ!」
ねーちゃんがドアを開け大声で叫ぶと階段を駆け下りていく。もう中学校の制服を着てる・・・ってことは、2つ違いのオレは小学5年か6年生、あ、中1の可能性もあるか・・・。
勉強机のところへ行って確認すると、6年の教科書がある。カレンダーを確認して机に貼ってある時間割通りにランドセルに教科書とノートを詰め込み、服を着替えて階下へ降りて行った。