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修学旅行の夜に・・・
【ショタ 官能小説】

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修学旅行初日-1

パジャマ姿でソファに腰を下ろし、小さなカラダをさらに小さく折りたたむようにして吸入器を使う瑛斗。
千波はその傍らに付き添い、小さな背中を優しくさすってやっている。

「だいじょうぶ? 苦しいの??」
「……うん」
「ちょっとは楽になったかなぁ〜?」
「まだ少しだけ息が詰まる感じはあるけど、もうすぐ収まると思います」
「そっか。よかったぁ」
千波はホッとした表情で微笑んだが、まだ呼吸はヒューヒューいっていて苦しそうだ。
「それすると収まるの?」
「はい。吸入薬だから効き目は早いです」
「へぇ〜……」
そう言うと、千波は瑛斗の隣に座って、その小さな顔を覗き込んだ。
「今夜また発作が起きることもあるの?」
「はい……。時々あります」
「そうなんだぁ。大変なんだね……」
早く発作を収めようと思ってか、瑛斗は黙り込んで吸入器からの薬を吸った。

修学旅行の一日目、千波たちはクラスごとに京都市内を巡り歩いた。ホテルに入って入浴を済ませ、夕食も終わり、消灯時間となりそれぞれの部屋を点検して回る。クラスの一人の男の子が千波の部屋を訪ねてきた。
「あら、森君じゃない。どうしたの?」
「北中先生、たいへんです! 瑛斗が・・・あ、赤塚君が息が苦しそうで」
慌てて瑛斗のところへ駆けつける千波。聞くところによると瑛斗は喘息もちで、引率してきている養護教諭に吸入器を預けてあるとのこと。
瑛斗を連れて養護教諭の部屋に行ってみたものの、救護室を兼ねたその部屋は3人の体調不良の子がおり、千波は吸入器をもって瑛斗を自室に連れ帰ってきたのだった。

「また発作が起こるようだと困るわよね。森君たちも眠れなくなっちゃうと明日の予定に差し支えるから、今夜は先生の部屋でおやすみなさい」
吸入を終えまだ青白い顔をしているものの、呼吸が楽にできるようになった瑛斗に声をかける。
「でも、養護の先生の部屋と違って先生の部屋にはベッドが一つしかないの。先生と一緒に寝ることになるけど、瑛斗君それでいいかなぁ?」
瑛斗はまだ子供だが、一人で眠ることに不安があるような年齢ではないはずだ。
しかし彼はこくりと素直にうなずいた。
「じゃあ決まりだねっ! 先に寝てなさい。先生はもう少しやることとかあるから…」
「はい、先生。おやすみなさい」
素直にベッドに入る瑛斗。
千波は部屋の電気を落とし、デスクの明かりだけにして日報を書く。カタカタというタイピングの音だけがしばらく響いていた。
千波はパソコンを打つ手を止め、瑛斗の様子を伺った。
規則正しい寝息を立てて眠っている。
(ふぅん……。可愛い顔)
千波は思わず笑みを浮かべた。
そして再び視線をモニターに戻し日報を打ち終える。パジャマに着替えると瑛斗を起こさないように気をつけながら横に滑り込む。
瑛斗の小さな背中に手を伸ばしかけてハッとする。
『触ってはダメ』
千波の中で何かいけないことをしようとしている自分がいることに気づいたのだ。
そんな自分の感情を振り払うかのように布団を頭まで被り目を閉じた。

―――どれくらい眠っていただろうか。
隣でごそりと動く気配を感じて千波は目を覚ました。見ると、暗闇の中、横向きになってこちらを見ている瑛斗の姿があった。
「あれ? 起きちゃった?? ゴメンね、起こしたかなぁ……」
千波は申し訳なさそうに謝った。
「いえ……。あの……せんせい……僕……」
消え入りそうな声でそう言ったかと思うと、突然咳き込み始めた。
「あっ……! だいじょうぶ!?」
千波は慌てて枕元のライトをつけた。
「……ッ!! げほっ……!!」
口元を押さえたまま激しくせき込んでいる。
「落ち着いて、大丈夫よ」
その小さな肩を抱き、トントンとその背を叩いてやる。すると少しだけ落ち着いたのか、瑛斗は荒い息を吐きながらも何とか言葉を紡いだ。
「さっき……起きたらまた発作が出て……」
「吸入したほうがいいのかなぁ?」
「…………」
瑛斗は黙ったままコクリとうなずく。
「ちょっと待ってね」
千波はサイドテーブルの上に置いてあった吸入器を手に取り、瑛斗の口に当ててやった。
「はい、吸える? ゆっくり吸うんだよ〜」
吸入薬が効いてきたようで、徐々に呼吸が落ち着く。千波はその様子を見守りつつ、そっと小さな頭を撫でた。すると瑛斗は気持ち良さそうに微笑んだ。
「もうだいじょうぶそうだねぇ」
「ありがとうございます。先生のおかげで助かりました」
「ううん、いいのよ。助かっただなんて大げさねぇ。でも、森君たちの部屋じゃなくって良かったね」
「はい」
「じゃあ、寝ようか。ちょっとだけ狭いけど許してね。おやすみなさい」
そう言って千波は再び眠りについた。瑛斗もすぐに寝息を立て始めた。
翌朝、千波が目覚めた時には瑛斗はすでに部屋の中にいなかった。


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