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お江戸のお色気話
【その他 官能小説】

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お江戸のお色気話、その10-6

「お母さん、娘さんはこれから嫁にいくのですよね」
「はい、そうですが……」
「失礼ですが、そのようでは娘さんは、いずれ嫁いだ先から返されますよ」
「えぇっ、そうでしょうか?」
「はい、今のように、何も知らないのでは」
「そうでしょうか?」

「嫁に行けば、いずれ子を求めらるでしょう、
その時にマグロでは相手にされませんからね」

「それは、こまります」
娘はその男の言葉の意味を、あまり理解していなかった。
ただ、漠然として嫁に行けば、
夫となる人に抱かれると、思っていたくらいだった。

「それでは、娘さんの為に私がお手伝いをしましょうか?」
「はい、なにをでしょうか?」
「男女の交わりを、分かりやすく教えてあげます」
「お願いしても宜しいのでしょうか」

「もちろんです、お母さんと私で、実際の男女の交わりの行為を
娘さんに見てもらい、それを覚えてもらうのです」

「えぇっ……」
「それが一番、手っ取り早いのです、本番ですから」
「初夜と同じことを娘の前でやって、それを見せるのですね」
「はい、経験のない未通女の娘さんの家では喜ばれています」
「はあ、なるほど、そういうことなのですね」

「いい考えでしょう?」
「はい……」
「ところで娘さん」
「はい、何でしょうか?」
「男の人との経験は?」
「経験といいますと?」
「男の人の体を、直接あなたの体に入れたかと言うことです。
「いえ、ありません」

母親はその行為が淫らだとは分かっていたが、
願っても無い良い機会だと思った。
最近、夫とも交わっていないし、この逞しく美しい人なら……。

「ここで、それをするのですか?」
「いやいや、今、ここではありません、私の家でするのです」
「分かりました」

こうして母と娘は数日後に、二人で男の家を訪ねていた。
母親は娘に言っておいた。
「ねえ、まゆみ、このことはお父さんには内緒よ、良いわね!」
「うん、分かっているわ、お母さんがあの人と交わることよね」
「そうよ」

娘の母親は、その家の前に来てドキドキとしていた。
そして、娘の手を引いて中に入っていった。



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