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お江戸のお色気話
【その他 官能小説】

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お江戸のお色気話、その10-7

その男の部屋はきちんと整っていて、心地が良い。
「よくいらっしゃいましたね」
「お邪魔いたします」

昨日から、母親の心は高鳴っていた。
「こんな歳になってしまい、あの方を私は満足して貰えるのかしら?」
それは昔、自分が夫に嫁いだときの初夜の時の気持ちになっていた。
自分は、娘に男女の交わりを教える為の役割のつもりでいる。

その自分が、想像した以上に感じてしまい、
幾度も逝ってしまったら……。
娘のことも悪も忘れて歓喜したら、どうなるのかしら?
もし、自分が忘れていた生の喜びを感じてしまったら

この先に、私はどうなるの?
娘の母親はそんなこと思っていたが、その結果は……。
その結果が、思いもよらないことになることに、
娘の母親はまだ知らない。

「こちらへ、どうぞ」

男にそう言われて、母親は時間に目覚めた。

「は、はい!」
そこには柔らかい布団が二つ、敷いてあった。
二つ並んだ枕の横には懐紙が置いてある。
「あの、お布団が二つありますが?」
母親は服を脱ぎながら男に聞いた。

「はい、お母様にしたことを娘さんに、わたしが手ほどきを……」
「すると、娘にも教えて頂けるのですね」
「そうです、そうすれば、娘さんは確実に覚えますから」

「あ、あの……私もですか?」
「そうですよ、初めて入れる時、娘さんは痛みを感じると思います」
「そうよ、あたしの時、痛かったわ、それで娘はどうなるのですか?」

「私が娘さんの中に入れるときに、十分に潤すようにしますよ。
その痛みを感じることなく、次第に喜びになっていきますから」

「あの、新婚の初夜のとき、出血しなくて相手の方にわかりませんか?」
「大丈夫です、それは女の方の問題ですから、そのように振る舞えばいいのです」
「わかりました」
どうやら母親と娘は納得したようだ。

「良かったわね、まゆみ、これなら完璧だわ、ねえまゆみ」
「は、はい、お母さん」
「では、お母様は服を脱いで、布団の中へ、娘さんも」
「はい」
昨日、初めて銭湯で知り合った男の部屋で、親子は服を脱ぎ始めていた。
江戸にはこのような珍しい商売が存在していた。

花魁や花芸者、湯女たちが男を相手として楽しませるのとは別に
太鼓持ちや、銭湯での三助、 又は知られていない男達など
このような女のための商売をする男たちもいた。




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